もじのすけ の文字ブログ

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文字について考えたことをつづっています

上杉謙信の字をなぞってみた(2) ~最古の「謙信」~

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【目次】

 

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もじのすけです。

 

せっかく

けんしんフォントを作ったので、

しつこく感じられるかもしれませんが、

言葉を入れて宣伝させてもらいます。

 

けんしんフォントの方に手をかけすぎて、

過去最高に時間がおしています。

現時点では、あと2時間で

定期更新の木曜日が

終わってしまう!

いつになく焦っています。

 

そんなとき

 

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こんな風に

上杉謙信の字に励ましてもらって

生活しています。

他にも生活に採り入れていますが、

それは別の機会に説明します。

 

「けんしんフォント」は無償公開中。

みなさんも是非遊んでみてくださいね。

ダウンロードはこちらの記事から。

上杉謙信の手書き文字フォント(けんしんフォント)を無償で公開します - もじのすけ の文字ブログ

・・・話がそれました。

 

今回は、なぞってみたシリーズです。

名前を伏せたクイズ版ではなく、

実名を挙げた直球版です。

直球版の過去のなぞってみた記事は、

こちらです。

第1弾 豊臣秀吉の字をなぞってみた。 - もじのすけ の文字ブログ

第2弾 織田信長の字をなぞってみた。 - もじのすけ の文字ブログ

第3弾 夏目漱石の字をなぞってみた。 - もじのすけ の文字ブログ

第4弾 上杉謙信の字をなぞってみた - もじのすけ の文字ブログ

 

今回は第4弾に引き続き上杉謙信の字を

なぞってみました。

 

まずは、

文字なぞり遊びの恒例の注意点を2つ。

これらを読んでください。

 

1 文字なぞり遊びのおさらい

 

毎度のことですが、一応文字なぞり遊びの

おさらいをしておきますね。

 

段取りは以下のとおり。

1 有名人の公開された手書き文字を

  紙にコピーする。

2 紙上の手書き文字をなぞる。

3 なぞってその人の性格を感じる。

以上終わり。

あっさりするほど簡単です。

 

2 文字なぞり遊びの注意点のおさらい


続いて、権利関係で

知っておくべきポイントは

以下のとおり。

 

公開された手書き文字と

それを載せている媒体

(出版物、HPなど)が、

適法に公開されたものであれば、

誰の手書き文字であっても

それを紙にコピー(複製)して、

自分でなぞって楽しむ限りでは、

著作権法上適法です

私的使用のための複製

 著作権法30条)。

 

この結論だけは知っておいてください。

 

 

3 上杉謙信の願文

 

それでは、本題に戻ります。

今回採り上げるのは、

上杉謙信の直筆書状と

言われている願文です。

 

なぞってみて、

実は悩んでいます。

 

本当に直筆なのか と。

 

原本を確かめてみたい、と

これほど思ったことはありません。

 

結論から言えば、

多分直筆だと言ってよいと思いますが、

なぞってみると

素朴な疑問がたくさん出てきてしまうのです。

 

もじのすけは、素人なので、

正直な感想で見ていきましょう。

 

今回の書状はこちらです。

 

 

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出典は「書の日本史 第4巻 室町/戦国」

(初版 平凡社 昭和50年 今井庄二編 初版)

P275、P276です。

釈文は、染谷光弘氏です。

 

原本は上杉家文書なので、

米沢市上杉博物館

だと思います。

 

この願文は、現存の書状の中で、

上杉謙信

初めて「謙信」と

名乗ったもの

です。

 

それで

この記事のサブタイトルが

~最古の「謙信」~ になっています。

 

 

そもそも願文ってなんだ?

と思う人が

いるかもしれませんね。

 

願文(がんもん)とは

神仏に願いを立てた文書のことです。

 

願文は過去の記事にもありますよ。

 

 

mojinosuke.hatenablog.com

この歴史上の人物は

政治的な絶頂期なのに、

グダグダな感じで

仏様にお願い事をしていました。

 

mojinosuke.hatenablog.com

この歴史上の人物は

スタッフを入れ替え、

心機一転、新体制を開始した時期の

御礼を書いています。

まだ若いのに、

ねっとりとした感じの書きぶりでした。

 

 

今回はどうでしょうか。

 

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しっかりとした書きぶり・・・

とは言えませんね。

明らかにサラッと書いた感じです。

 

書状の全体像を掲載しましたが、

字が小さくて読めないですよね?

 

 

 

 

 

 

4 上杉謙信の願文の読み取り

 

それでは、2分割して拡大します。

これなら、なぞれるでしょう。

量が多いので、

みなさんは、

なぞれる範囲でなぞってみて下さい。

 

もじのすけは、

繰り返し目で読んで、

それから

ペンで2回なぞりました。

 

 

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題名の

「かんきん」「看経」とは

なんでしょうか。

これは、

お経の黙読のことを指しています。

ただし、黙読とはいっても

読み飛ばすのではなく、

声に出さずに脳内で読み上げる

ということです。

 

どうやら、

それぞれの神仏に向けて

何百回も読むようですね。

 

それでは、後半を見てみましょう。

 

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引き続き、

看経(かんきん。黙読)の回数を

書いています。

たくさんの神仏が出てきますね。

 

ちなみに

文字と絵の境目(3) (主に戦国武将のハンコ) - もじのすけ の文字ブログ

の記事の中では、

上杉謙信・景勝のハンコが出てきます。

それがこちらです。

http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2017/03/16/224000#2-5第5問

これらのハンコの中には、

阿弥陀」「日天」「弁才天

「勝軍地蔵」「摩利支天」「飯繩明神」

の文字が入っていました。

飯繩明神」以外は、

今回の看経と重なっていますね。

・・・またまた脱線しました。

 

後半部分を再び挙げます。

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左側の説明部分だけ

訳を書いておきますね。

 

【もじのすけ勝手訳(誤訳御免)】

来年の2、3月に

越中富山県)に出兵します。

留守中に、越後の国、関東が

何事もなく無事で、

越中の国を思い通りに1度に

手に入れたあかつきには、

いずれも

来年1年は日々看経いたします。

元亀元年(註 1570年)

 12月13日 謙信 (花押)

御宝前

(以上勝手訳おわり)

 

毎日

これだけの回数の看経をしたら、

すぐに日が暮れてしまいますね。

逆に言えば、

越中を1回で攻略し、

越後、関東が平穏になることは

困難なことだったのでしょう。

 

前年の1569年1月には、

今川氏真掛川城に籠城し、

武田信玄と呼応した徳川軍に

包囲されていました。

今川氏真は、上杉謙信に宛てて、

信濃に出兵して下さい。」と

泣きついています。

その年の5月に

徳川軍に掛川城を明け渡し、

戦国大名としての今川氏は

滅亡しました。

 

1569年は、

上杉謙信と北条氏は同盟を模索し、

同盟の条件を詰めていました。

 

上杉謙信は、大忙しだったはずです。

 

越中平定、越後、関東の安定。

この3つがうまくいけば、

上杉謙信としては、

日々朝から晩まで看経し放題、

好きなときに上洛して将軍を支え放題、

という

イメージだったのかもしれませんね。

 

願文の読込みと

元亀元年(1570年)あたりの

情勢の解説は、 

このあたりで止めておきましょう。

 

 

5 願文の字は上手でない?

 

さて、みなさんは、

今回の願文の字をなぞりましたか。

まだの方は、

ちょっとでもなぞってみてくださいね。

 

それでは、字の様子を見てください。

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どうでしょうか。

率直に言って

あまり上手な字ではないですね。

少なくとも

丁寧に書いたとはいえませんね。

 

続いて後半。

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左側の説明部分は

「あれ、字が上手かもしれない。」と

感じさせますね。

でもそれ以外の部分は、

署名の部分ですら、

きれいな字とも丁寧ともいえない。 

 

こちらを見てください。

3月9日の記事上杉謙信の字です。

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上越市史 別編1 上杉氏文書集一 別冊(編集:上越市史編さん委員会 発行:上越市。平成15年)P146 上杉謙信いろは折手本)

(原本は米沢市上杉博物館蔵) 

 

似てるかな?似てないかな?

パッと見は、今回の字は上手ではなくて、

似てない、と思えてきませんか?

 

次回は、具体的に検討していきましょう。

おつかれさまでした。

 

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 http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2017/04/06/130000

 

   

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