もじのすけ の文字ブログ

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文字について考えたことをつづっています

手書き文字の時間性・身体性

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こんにちは。もじのすけです。

 

今回は、

「手書き文字の時間性・身体性」について

考えてみたいと思います。

 

1 手書き文字の時間性・身体性

 

皆さんは、

何か考え事をするときには

手書きのメモがよい、

という話を聞いたことがあると思います。

 

それはなぜでしょうか。

 

よく言われているのは、

・電子デバイスよりメモ帳などの方が立ち上がりが早い、

・手書き文字だとスペースの使い方、展開の仕方に自由が利く、

という点かと思います。

 

私としては、

さらにもう一つ指摘したいと思います。

 

それが、

手書き文字と活字の違い(3)

でお話しした、

手書き文字の時間性・身体性

です。

 

具体的にお話しします。

 

 

2 手書き文字で書く場合

 

当たり前のことですが、

手書き文字を書く場合、

一画一画順を追って書いていきますよね。

例えば、今、私はカフェでスムージーを飲みながらこれを書いていますので、

「スムージー」という言葉にしましょう。

指でいいので書いてみてください。

 

スが2画、ム2画、ー1、ジ5、ー1。

全部で11画。

この11画を手で書いている間に、

私たちは、

ス、ム、ー、ジ、ー、と

脳内の音声で発音しています。

あくまで、脳内でですよ。

 

 

3 活字で打つと視覚的ノイズが入る

 

もちろん

活字でスムージーと打つときも、

同じく発音していますが、

そのスピードが違ったり、

入力方法によって、リズムが違うのです。

 

ローマ字入力だと、

sumu-ji-

でしょうか。

例えば、スを書くときに、

SとUという異なる発音の文字を

組み合わせているのです。

 

かな入力だと

す+カタカナ変換

でしょうか。

 

フリック入力だと、

スは、さ行の上+カタカナ変換、

ムは、ま行の上+カタカナ変換、

ーは、わ行の右

ジは、さ行の左+濁点欄の左+カタカナ変換

ーは、わ行の右

でしょうか。

指が慣れているとしても、

視覚的に

かなり回りくどいルートを通っています。

脳内で発音する際に

視覚的ノイズが入る感じです。

 

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4 手書き文字だと言葉を味わえる

 

ところが、

手書きだと、

スを書いているときは常に

「ス」の1文字の一部を

順を追って完成させているのです。

時間の流れに沿って、手を動かして。

視覚的ノイズがないのです。

 

そのとき、脳内では、シンプルに、

ス、ム、ー、ジ、ーと発音し、

その文字そのものを書いているのです。

 

 

多分、こういうことは、

言語学の世界で

指摘されているだろうと思います。

 

ですが、あえて

素人の私が指摘したいのは、

手書きだと、シンプルに

スムージーという音声と文字の形を

時間の流れに沿って身体で追っている

ということです。

すなわち、

「スムージー」という

言葉をじっくり味わう

ということなんです。

 

 

5 手書き文字で言葉をじっくり味わうこと

 

話が飛ぶかもしれませんが、

皆さんは、

自転車で街中を巡るより、

歩いて散歩したときの方が

多くの発見がありませんか。

 

人の多い展覧会で、

列に並んで展示物を見るとき、

つい斜め前の先の物ばかり見てしまい、

今一番手前にある物を

スルーしてませんか。

 

他のことをしつつ、

ながら読みをしていませんか。

 

文字が表す言葉(概念)を

味わうには

一定の時間が必要になります。

 

手書き文字を書くことは、

身体を伴ってその言葉をじっくり味わう、

という意味があるのだと思います。

 

じっくり味わったその言葉から

思いがけない新しい言葉を連想し、

発展していく。

 

また、言葉を味わいながら

自分のことを書いているときは、

心の体操になる。

 

私の場合、文字を書くと、

自然に集中でき、

時間の流れ方が変わるように

思います。

 

 

このように

手書き文字の時間性・身体性は、

書く人の心に、

無自覚的に

影響を与えているのだと思います。

 

 

そういうことがあるので、

考え事をするときは、

手書きが望ましいのだと思います。

 

 

スムージーが

ただの氷水になってしまったので、

今日はここまでにします。

 

お付き合いいただき、

ありがとうございました。

 

 

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