もじのすけ の文字ブログ

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文字について考えたことをつづっています

文字と絵

 

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【目次】

 

こんにちは。もじのすけです。

今回は、「文字と絵の融合」についてお話ししたいと思います。

 

 

1 文字と絵の融合

 

ある日、夜に帰宅して、

いつものように

洗面台で手を洗い、

うがいをしていました。

すると、

そばの壁に張り紙がしてあることに

気がつきました。

 

張り紙には

「はみがきあさ・よるぜったいする!!」

と大きな手書き文字で書いてありました。

どうやら娘の字のようです。

 

歯みがきをよく忘れるので、

(おそらく妻に注意されて)

備忘のために書いたのでしょう。

 

「はみがきあさ・よる」が黒太文字。

「ぜったい」が赤太文字。

「する」が黒太文字。

「!!」が赤太文字。

 

 

活字で説明すると以上のとおりですが、

実際にはこんな感じです。

 

 

 

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見つめていると、

文字に影がついているように見えました。

さらにしばらくして、

それが実は影ではなく、

「歯ブラシのブラシ」

であることにようやく気がつきました。

 

「あさ・よる」の「・」や

「!!」の下の「・・」にまで

ブラシの毛を生やす執拗さです。

 

さらに眺めているうちに、

この張り紙には、

手書き文字の太さと強い色で

決意を表すとともに、

文章の内容の絵と

文字を融合させている

点に特徴があるのだと

気づきました。

 

 

2 文章の内容と文字の融合は可能

 

文字のデザインの方法として

文字を純粋に絵的にしたものは

今までよく見ています。

しかし、

この張り紙のように、

文章の内容と

文字を融合させることができる

という事実が、

私にとって新鮮でした。

 

 

3 文章の内容と文字の融合は心地よい?

 

今回の娘の字は、

読み手である娘自身に向けて

インパクトを強めています。

(力が入りすぎて、

 ずっと守られるかは

 かえってあやしいですが。)

 

一般的に考えると、

文章の内容の絵と文字のデザインが

リンクしていれば

読み手が心地よくなる。

そんなことがあるかもしれません。

 

 

話が飛びますが、

振付師のMIKIKO氏が

perfumeのダンスを創作する際のことを

思い出しました。

彼女は、

perfumeの曲の歌詞の内容を示す動作を、

その曲の振り付けの中に

一部として採り入れています。

 

この視点は

文字のデザインでも

採り入れることが

できるのかもしれません。

 

すなわち、

単純な美的な絵と文字を融合させる

という視点ではなく、

その文章の内容の絵と文字を融合させて

文章と文字の繋がり具合を味わうのも、

発想の視点としてはアリだな、

と思いました。

 

この融合の視点は、

手書き文字・活字の両方に使えます。

 

文字のデザインをする人が

発想の行き詰まりを感じた時に

使いやすいかもしれません。

 

 

4 絵と文字の関係は別の機会に

 

絵と文字(活字・手書き文字)の関係は、

別の機会にもう少し具体的に

お話ししようと思います。

 

 

5 おまけ2つ 

 

ちなみに今回の記事の

一番上の写真の

将棋の駒の文字は、

文字の要素が強いものの、

絵の要素もあるように思います。

 

例えば、

「歩兵」を「ふ」、

金将」を「きん」、

「角行」を「かく」と発音したりするのも

字の要素が多少薄まり、

絵の要素が入っていることの表れ

だと思います。

 

 

もう1つのおまけです。

一番上の写真の将棋盤には

反則の「二歩」があります。

 

気にならなかった人が

ほとんどでしょうが、

これも、見る人によって

画像や文字の受け止め方が違う

よい例かもしれません。

 

 

今日はここまでにします。

以上、もじのすけでした。

 

 

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