もじのすけ の文字ブログ

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文字について考えたことをつづっています

文字と絵の境目(2) (主に戦国武将のハンコ)

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【目次】 

 

こんにちは。もじのすけです。

以前「文字と絵」では、

文字と絵の融合について

お話ししました。

 

そして、

「ハンコの文字当てクイズ」で

文字と絵の境目を

確かめてみました。

mojinosuke.hatenablog.com

 

今回も、

文字と絵で遊びながら

文字と絵の境目を考えます。

さらに、今回は

ハンコの機能・傾向について

考えていきたいと思います。

 

それでは、

「ハンコの文字当てクイズ」を

始めたいと思います。

 

 

1 ハンコの文字当てクイズの遊び方

 

「ハンコの文字当てクイズ」の遊び方を

ご説明します。

1 ハンコの印影を集める。

2 その印影を見る。

3 その印影に書かれた文字を当てる。

4 答えを見て、喜んだり、悔しがる。

以上終わり。

簡単です。

 

 

 

2 戦国武将ハンコの文字当てクイズ

 

これは絵?文字?という観点で

主に戦国武将のハンコの文字を

一緒に考えていただきたい

と思います。

 

ハンコの画像の出典は、

書の日本史〈第9巻〉古文書入門,花押・印章総覧,総索引

平凡社 初版 昭和51年)

P174~P185です。

 

 

それではさっそく見てみましょう。

何と書いてあるか、

誰のハンコかを当てて、

文字か絵かを判断してくださいね。

 

 2-1 第1問

 

さあ、どうでしょう。

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簡単すぎますか?

3文字目が

ちょっと気になりますか?

 

「読めるけど、

 あれ?そんな人いたっけ?」

と思われた方。鋭いです。

本来の名字とは別の名字も

もらったのでしょうね。 

名字を替えるとわかるかも

しれません。

この武将は流罪になり、

八丈島で亡くなりました。

 

答えは、

 

 

 

 

 

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宇喜多秀家でした。

 

詳しいことはこちらをどうぞ。

 

イケメンです。

宇喜多秀家 - Wikipedia

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宇喜多秀家像(岡山城蔵)

Wikipediaより。

 

このハンコは

文字でしょうか。絵でしょうか。

 

 

はっきり読める(発音できる)ので

これは文字でしょう。

 

 

 

 

 2-2 第2問

 

それでは、これはどうでしょうか。

 

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さっきの問題を解けば、

3文字目までは読めるはずですよ。

同じですから。

4文字目はどうでしょうか。

読めますか?

 

 

NHK大河ドラマ真田丸」では

これまでとは違った人物像で

描かれていましたね。

ドラマでは、

高野山で自ら最期を遂げました。

 

本当の人物像はあれこれと

言われていますが、

「親戚関係で苦しんだ人」

であることは

間違いないでしょう。

今度は名字はこのままです。

 

答えは、

 

 

 

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豊臣秀吉の甥の

豊臣秀次でした。

 

 

関白にまでなったのに

切腹することになりました。

 

理由は諸説ありますが、

豊臣秀吉の命令であることは

間違いないようです。

 

こうしてみると

豊臣秀吉関係者はほとんど

豊臣秀吉の生前、没後を問わず

厳しい最期を迎えていますね。

 

豊臣家関係者の没落は、

晩年の豊臣秀吉自身が

招いた結果ともいえそうです。

 

詳しいことはこちらをどうぞ。

豊臣秀次 - Wikipedia

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豊臣秀次像/瑞泉寺蔵(部分)

Wikipediaより。

 

 

今回は

文字のハンコでしょうか。

それとも絵のハンコでしょうか。

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「次」の字が難しいですが、

読める(発音できる)ハンコ

つまり

文字のハンコ

といえるでしょう。

 

 

 

 

 2-3 第3問

 

これはどうでしょうか。

武将ではありません。

 

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右から読んで下さいね。

画家です。

 

日本水墨画の最高傑作と

言われている絵を

描いた人です。

雪舟ではないですよ。

 

美術史や歴史に

あまり興味がないよという人は

知らないかもしれません。

その場合はサクッと

読み進めてください。

 

 

もう少しヒントを。

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ほぼ、線が細くなっただけ。

叱られそうですね。

せめてまともなヒントを。

「名前」しか書いてありません。

 

そこで

最終ヒントは名字です。

これです。

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1文字目は読みにくいですが、

全体で読めるかと思います。

 

 

答えは、

 

 

 

 

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江戸時代の画家、

長谷川等伯でした。

 

長谷川等伯は、豊臣秀吉

気に入られていたようです。

 

代表作の「松林図」屏風は、

画像を通して見ても

引き込まれそうな幽玄さです。

東京国立博物館蔵 国宝)

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松林図(右隻)

 

 
松林図(左隻)

長谷川等伯 - Wikipediaより。

この屏風の絵の雰囲気と

今回のハンコの字の形からすると

今回のハンコは使っていないでしょう。

・・・と思いきや、

こちらのサイトを使って

左隻の左端を拡大してみてください。

松林図屏風 - e国宝

結構よく似たハンコを使っています。

 

今回のハンコは、

文字でしょうか。絵でしょうか。

 

読める(発音できる)ので、

文字でしょう。

ですが、

一文字ずつデザインされていて

絵の要素も否定できない

です。

 

絵だという人がいても

おかしくありません。

 

 

 

 2-4 第4問

 

次に、これはどうでしょうか?

ちょっと難しくなってきましたよ。

有名武将です。

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1文字目も2文字目も

読みにくいですね。

名前です。

 

 

1文字目は、のぎへんです。

第3問の人と第4問(今回)の人は

ある県に関係があります。

第3問の人は七尾市出身者。

第4問の人は人生の後半に

この県にかかわっています。

 

 

1つ目の文字は「利」です。

どうでしょうか。

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答えは、

 

 

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前田利家でした。

 

共通のゆかりの県は石川県です。

昔の藩の分け方なら、

七尾は七尾藩、前田家が加賀藩

ということで

別々でしたが・・・。

 

 

さて、このハンコは、

文字か絵か。

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文字といえそう

ですが、

「家」の崩れ具合いからすると

絵・デザインの要素

も増えています。

 

文字派が多いとは思いますが、

読めないことを重視した

絵派もいることでしょう。

 

 

 

 2-5 第5問

 

それでは、ちょっと

トリッキーな感じですが、

どうでしょうか。

姓も名も当ててくださいね。

 

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名前はわかりやすいと思います。

問題は右側です。

林の絵でしょうか。

 

 

右側も文字ですよ。

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一番右の文字はわかりますか。

「原」です。

今回も名字が代わっています。

 

正解は

 

 

 

 

藤原三成 - Wikipedia

藤原 三成(ふじわら の ただなり /みなり/ みつなり、延暦5年(786年) - 天長7年4月30日830年5月25日))は、平安時代初期の貴族藤原南家参議藤原巨勢麻呂の孫。従五位上藤原真作の子。官位従四位下春宮亮

ではありません。

まぎらわしくてすみません。

 

私もググってみて

平安時代の藤原三成のことを

初めて知りました。

生まれつき、慎み深くよく注意の行き届く性格で、誤解を受ける言動をすることはなかった。

だそうです。

正解の人がこんな性格であれば、

関ヶ原の戦いの結果は

変わっていたかもしれませんね。

 

 

正解はもちろん、こちらです。

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詳しくはこちらをどうぞ。

石田三成 - Wikipedia

 

石田三成

豊臣秀吉没後の徳川家康

勢力拡大に立ち向かった気概は

間違いないでしょう。

ですが、 

関ヶ原の戦いが1日で終結

となるような

周到な根回しを

徳川家康に許してしまうところが

残念でした。

 

さて、このハンコは

文字か絵か。

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私には

今回のハンコの右側は

竹やぶの絵に見えました。

「藤原」といわれても

竹やぶに見えます。

ハンコの形といい、

文字だけど絵でもある

と主張したいところです。

 

 

 

 2-6 最終問題

 

それでは最終問題です。

これはどうでしょうか。

戦国武将のハンコです。

読めますか。

誰のハンコでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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(笑)。

 

一応、

グーグル先生で画像検索すると

こんな結果になりました。

よかったら

クリックしてみてください。

www.google.co.jp

 

まあ、そうなりますよね。

現状の画像検索の限界を

見せてもらった感じがします。

 

こんなハンコを使っていたのは

一体誰でしょうか。

 

 

ヒント

関ヶ原の戦い

徳川家康の東軍に属し、

黒田長政と共に石田三成と戦い、

石田三成を捕まえた武将です。

 

 

 

歴史好きの人の一部にしか

答えられないと思いますので、

早々に正解に移りたいと思います。

 

 

正解は、

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このハンコを使っていたのは

田中吉政でした。

田中吉政 - Wikipedia

田中 吉政(たなか よしまさ)は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将大名。転封の過程で居城とした近江国八幡(現滋賀県近江八幡市)、三河国岡崎(現愛知県岡崎市)、筑後国柳河(現福岡県柳川市)などに、現在につながる都市設計を行った。そのことは現代でも高く評価されている。筑後国主。

田中吉政には、

豊臣秀次の家老だった時代が

ありました。

 

 

皆さんは、

・誰が使っていたか、

より、

・なんでこんなことに

 なっているのか、

が気になると思います。

この毛むくじゃらな人は

一体誰なのか。

 

 

 

 

 

 

謎です。

 

調べてみましたが、

全くわかりませんでした。

キリスト教に寛容な

キリシタン大名だったそうなので、

西洋人を描いたのでしょうか。

ご存知の方は教えてください。

 

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それにしても、

このハンコは一体どんなときに

使ったのでしょうね。

 

 

このハンコはどう見ても

読めない(発音できない)です。

これは 

絵でしょう。

 

 

 

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3 ハンコの多様性

 

 3-1 文字・絵・文字と絵

今回のハンコは、

宇喜多秀家豊臣秀次

長谷川等伯前田利家

石田三成田中吉政

のものでした。

 

豊臣家ゆかりの人

問題にして並べてみました。

 

ですが、

ハンコの内容はバラバラでした。

豊臣家ゆかりの人物としての傾向は

特にありませんでした。

 

文字か絵かという観点から見て、

今回のハンコも多様でした。

 

明らかに文字のものもあれば、

明らかに絵のものもある。 

絵か文字か微妙なものもある。

微妙なもののときは、

使う人や見る人の感覚

文字か、絵か、

絵でも文字でもあるか、

決まるように思います。

 

 

 3-2 ハンコの使われ方と傾向

 

ハンコは多くの場合、

持ち主の名前を示すもの

として使われています。

 

ですが、

最後の田中吉政

ハンコのように、

誰を表したものかすら

わからないものもあります。

 

キティちゃんのハンコや

観光名所によくある

名所の風景を表すハンコなども

持ち主を表したものではありません。

 

ハンコの類型の傾向として、

①自己を表すときは文字が多い

(例 戦国武将のハンコ)

②他の人・物を表すときは

 絵が多い

(例 キャラクタースタンプ)

③メッセージハンコは文字が多い

(例 「よくできました」ハンコ)

という傾向があるように思います。

 

他にも、

④ハンコが文字と絵の両方を

 表すとき

があります。

 

例えば

LINEのスタンプは、

キャラクターの絵とメッセージを

組み合わせているので、

この類型に入ると思います。

 

 

4 自己を表すハンコの発展

 

普通は、

自己を表す場合に文字を使えば、

他の人に分かって

もらいやすいですよね。

 

ですが、自分を表す絵やマーク、

例えば

「この絵はもじのすけだ」

と知られるような絵があれば、

面白いなと思います。

 

たとえそこまでいかなくても

自分独自の絵やマークがあれば、

その絵を使ったハンコは

少なくとも自分にとっては

味わい深く、

とても価値があると思います。

 

その絵やマークの

デザイン性が優れていれば、

見る人にとっても

価値が増すことがあると思います。

 

ありふれた物に、

そのハンコを押すと

ありふれた物が

個性的な物に変わる。

 

そんなことが起こるので、

ハンコは奥深いと思います。

ハンコが押された物には

文字・絵と物の融合

が起きているのだと思います。

だと思います。

 

 

今回はここまでにします。

おつかれさまでした。

 

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