【目次】
こんにちは。もじのすけです。
前回の記事では花押クイズで遊びました。
花押とは?などの答えも前回の記事にあります。
今回は、
さらに肩の力を抜いて、
花押の見比べ遊び
をして、
歴史の流れを感じてみましょう。
花押の画像の出典は、
(平凡社 初版 昭和51年)
P250~P267
です。
どんどん並べますので、
考えるより感じろ
でいきましょう!
1 鎌倉時代の北条氏の花押
始めたいと思います。
北条義時の花押は
「義」の字を
くずしたものと思われます。
ずっと「義」の字が続きますよ。
〇番号は第〇代執権という意味です。
それでは、スタート。
②北条義時1
②北条義時2
③北条泰時
④北条経時
⑤北条時頼
⑥北条長時1
⑥北条長時2
⑥北条長時3
⑦北条政村
⑧北条時宗1
⑧北条時宗2
⑨北条貞時
⑩北条師時
⑪北条宗宣
⑫北条煕時
⑬北条基時1
⑬北条基時2
⑭北条高時1
⑭北条高時2
はい。おつかれさまでした。
ここでいったん休憩しましょう。
最初と最後を比べてみると
こんな感じです。
けっこう形が残っていますね。
鎌倉幕府の執権である北条氏が
このような花押を使っていたことから、
他の武家の一族も
このような花押の様式を
使っていたようです。
続いて、
室町時代に入っていきましょう。
2 室町時代の足利将軍家の花押
ここから、
足利尊氏に始まる
足利将軍家の流れになります。
足利尊氏は当初は、
「高氏」という名前でした。
北条高時から「高」の字を
もらっていたのです。
当然花押も似てきます。
それでは足利尊氏、スタートです。
(丸印は第〇代)
①足利尊氏1
①足利尊氏2
②足利義詮1
②足利義詮2
③足利義満
(武家様の花押無し)
④足利義持
(存在するも参考文献には無し)
⑤足利義量
⑥足利義教
(確認できず。短命のためか?)
⑦足利義勝
⑧足利義政
(武家様の花押無し?)
⑨足利義尚
(武家様の花押無し)
⑩足利義材
⑪足利義澄
(武家様の花押無し)
⑫足利義晴
⑬足利義輝
(確認できず)
⑭足利義栄
⑮足利義昭
ハイ、おつかれさまでした。
感覚による花押の見比べ遊びは
ここまでとします。
どうでしょうか。
つながっていることを
体感していただけたでしょうか。
ここから先は、
感覚の遊びと言うより、
やや理論的な花押の見比べ遊びです。
足利将軍家の花押の流れは
途切れ途切れになっていますね。
将軍が早く死んでしまったり、
別の様式の花押はあっても、
武家の様式の花押がなかったり。
花押だけを見ても、
室町時代の足利家が
色々と荒れていたことが
わかりますね。
ここでキーポイントになる花押を
見比べてみましょう。
最初の北条義時と
最後の足利義昭だけを見比べると
全然違うものに見えます。
ところが、
流れがあることが実感できます。
3 今川義元の花押
ここで、花押の歴史上において
皆さんが思っているよりも
重要な人物として、
を挙げたいと思います。
流れの把握に、
足利尊氏の花押と、
今川義元までの
今川家の花押を見てください。
①足利尊氏
この足利尊氏に仕えたのが、
今川範国と今川範氏です。
続いていきます。
今川家の花押特有の特徴として、
左側部分がだんだん元の「義」の字に
戻ってきている感じがします。
そして、今川義元になります。
今川家の流れに乗っていることが
わかりますね。
今川義元1
足利将軍家の花押の流れに
従っていました。
もちろん
今川家も例外ではありません。
今川義元が生きていた時代の
足利将軍と今川義元の花押を
見比べてみてください。
今川義元1
やはり、今川義元も、
当時の足利将軍家の
武家様の花押のパターンに
従っていますね。
以上から
今川義元の花押は、
(1)縦(時間)軸で見ると
北条氏、足利尊氏、今川家の流れに
乗っていること、
(2)横(同時代性)軸で見ると
足利将軍家の花押のパターンに
従っていることがわかります。
そして、今川義元の花押は
以下のように少しずつ変化します。
(おまけとして今川氏真も掲載)
今川義元1
今川義元2
今川義元3
(おまけ)
(やはり親子で似てますね。)
4 北条義時と今川義元と〇〇
今までのおさらいをしましょう。
鎌倉時代に、
北条義時が「義」の字の花押を使い、
鎌倉幕府の執権の北条氏に
受け継がれました。
そして、
北条高時から
足利尊氏の花押につながりました。
足利尊氏の花押は、
ベースになりました。
その足利将軍家の花押は
今川家を含む他の武家の花押の
ベースにもなりました。
今川義元の花押も
この流れに従っています。
今川義元1~3
ここで、
決して忘れてはならないのが、
今川義元の配下の武将だった
松平元康(徳川家康)
です。
松平元信(松平元康、後の徳川家康)
明らかに今川義元の花押に
従ってますよね。
この花押が、日本の花押の
大きな転機になっていきます。
それでは、
今回はここまで。
おつかれさまでした。
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