もじのすけ の文字ブログ

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もじのすけ の文字ブログ

文字について考えたことをつづっています

文字と絵の境目(5) (武家の花押の流れ)

 

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【目次】

 

 

こんにちは。もじのすけです。

 

前回の記事では花押クイズで遊びました。

花押とは?などの答えも前回の記事にあります。

mojinosuke.hatenablog.com

 

今回は、

さらに肩の力を抜いて、

花押の見比べ遊び

をして、

歴史の流れを感じてみましょう。

 

花押の画像の出典は、

書の日本史〈第9巻〉古文書入門,花押・印章総覧,総索引

平凡社 初版 昭和51年)

P250~P267   

です。

 

 

どんどん並べますので、

考えるより感じろ

でいきましょう!

 

 

1 鎌倉時代の北条氏の花押

 

鎌倉時代北条義時の花押から

始めたいと思います。

 

北条義時の花押は

「義」の字を

くずしたものと思われます。

ずっと「義」の字が続きますよ。

〇番号は第〇代執権という意味です。

 

それでは、スタート。

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     ②北条義時

 

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   ②北条義時

 

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北条泰時

 

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北条経時

 

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北条時頼

 

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北条長時

 

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北条長時

 

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北条長時

 

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北条政村

 

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北条時宗

 

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北条時宗

 

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北条貞時

 

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北条師時

 

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北条宗宣

 

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北条煕時

 

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⑬北条基時1

 

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⑬北条基時2

 

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  ⑭北条高時

 

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  ⑭北条高時

 

 

 

 

はい。おつかれさまでした。

ここでいったん休憩しましょう。

 

 

 

 

最初と最後を比べてみると

こんな感じです。

けっこう形が残っていますね。

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北条義時1  ⑭北条高時

 

鎌倉幕府の執権である北条氏が

このような花押を使っていたことから、

他の武家の一族も

このような花押の様式を

使っていたようです。

 

 

続いて、

室町時代に入っていきましょう。

 

 

2 室町時代足利将軍家の花押

 

 

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 北条義時1  北条高時

 

ここから、

足利尊氏に始まる

足利将軍家の流れになります。

 

足利尊氏は当初は、

「高氏」という名前でした。

北条高時から「高」の字を

もらっていたのです。

当然花押も似てきます。

 

それでは足利尊氏、スタートです。

(丸印は第〇代)

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  ①足利尊氏

 

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  ①足利尊氏

 

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足利義詮

 

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足利義詮

 

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足利義満

 

 

武家様の花押無し) 

足利義持

 

(存在するも参考文献には無し)

足利義量

 

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足利義教

 

(確認できず。短命のためか?)

足利義勝

 

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足利義政

 

武家様の花押無し?)

足利義尚

 

武家様の花押無し)

足利義材

 

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足利義澄

 

武家様の花押無し)

足利義稙(=足利義材

 

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足利義晴

 

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足利義輝

 

(確認できず)

足利義栄

 

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足利義昭

 

 

ハイ、おつかれさまでした。

 

 

感覚による花押の見比べ遊びは

ここまでとします。

 

どうでしょうか。

つながっていることを

体感していただけたでしょうか。

 

 

ここから先は、

感覚の遊びと言うより、

やや理論的な花押の見比べ遊びです。

 

 

足利将軍家の花押の流れは

途切れ途切れになっていますね。

 

将軍が早く死んでしまったり、

別の様式の花押はあっても、

武家の様式の花押がなかったり。

 

 

花押だけを見ても、

室町時代の足利家が

色々と荒れていたことが

わかりますね。

 

ここでキーポイントになる花押を

見比べてみましょう。

 

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北条義時1   ⑭北条高時

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 ①足利尊氏   ⑮足利義昭

 

最初の北条義時

最後の足利義昭だけを見比べると

全然違うものに見えます。

ところが、

北条高時足利尊氏の花押を間に挟むと

流れがあることが実感できます。

 

 

3 今川義元の花押

 

ここで、花押の歴史上において

皆さんが思っているよりも

重要な人物として、

今川義元

を挙げたいと思います。

 

流れの把握に、

足利尊氏の花押と、

今川義元までの

今川家の花押を見てください。

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 ①足利尊氏

 

この足利尊氏に仕えたのが、

今川範国と今川範氏です。

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続いていきます。

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今川家の花押特有の特徴として、

左側部分がだんだん元の「義」の字に

戻ってきている感じがします。

 

そして、今川義元になります。

今川家の流れに乗っていることが

わかりますね。

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   今川義元

 

室町時代武家の花押は、

足利将軍家の花押の流れに

従っていました。

もちろん

今川家も例外ではありません。

 

今川義元が生きていた時代の

足利将軍と今川義元の花押を

見比べてみてください。

 

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足利義晴  ⑬足利義輝 

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 今川義元1 

 

やはり、今川義元も、

当時の足利将軍家

武家様の花押のパターンに

従っていますね。

 

以上から

今川義元の花押は、

(1)縦(時間)軸で見ると

北条氏、足利尊氏、今川家の流れに

乗っていること、

(2)横(同時代性)軸で見ると

足利将軍家の花押のパターンに

従っていることがわかります。

 

そして、今川義元の花押は

以下のように少しずつ変化します。

(おまけとして今川氏真も掲載)

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 今川義元1 

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  今川義元

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    今川義元

 

(おまけ)

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 今川氏真 

(やはり親子で似てますね。)

 

 

 

4 北条義時今川義元と〇〇

 

今までのおさらいをしましょう。

 

鎌倉時代に、

北条義時が「義」の字の花押を使い、

鎌倉幕府の執権の北条氏に

受け継がれました。

そして、

北条高時から

足利尊氏の花押につながりました。

 

足利尊氏の花押は、

足利将軍家武家様の花押の

ベースになりました。

その足利将軍家の花押は

今川家を含む他の武家の花押の

ベースにもなりました。

 

今川義元の花押も

この流れに従っています。

 

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北条義時1   ⑭北条高時

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 ①足利尊氏   ⑮足利義昭

 

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    今川義元1~3

 

ここで、

決して忘れてはならないのが、

今川義元の配下の武将だった

松平元康(徳川家康

です。

 

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松平元信(松平元康、後の徳川家康

 

明らかに今川義元の花押に

従ってますよね。

 

この花押が、日本の花押の

大きな転機になっていきます。

 

 

それでは、

今回はここまで。

おつかれさまでした。

 

 

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