もじのすけ の文字ブログ

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文字について考えたことをつづっています

手書き文字と活字の違い(13) ~活字が表す情報②~

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【目次】

 

 

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もじのすけです。

 

今回は、

~活字が表す情報②~ と題して、

感情以外の情報で

活字に何がのっているか?

を検討したいと思います。

 

 

1 活字にのっている情報(感情以外)

 

これまでの流れを

ちょっとだけ戻ってみましょう。 

 

以前の記事です。

この記事の中の、

http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2016/11/02/193000#6活字の表現伝達機能の増量 

という項では、

文字の情報量について

検討しました。

 

その最後に

「文字の情報量は

 毛筆>硬筆>活字である。

 何とかして活字の情報量を

 増加できないか?」

という

問いかけをしました。

 

 

活字の情報量を増やすといっても、

そもそも

活字にどんな情報がのっているのか、

を知っておかないといけません。

 

 

そこで

活字に載っている情報の検討に

入ったのが前々回の記事です。

mojinosuke.hatenablog.com

 

この記事の中の

http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2017/04/30/180000#2-1活字の感情情報

では、

活字の感情情報について

検討した結果、

「活字には感情情報があるが弱い」

という結論に至りました。

 

これまでの流れは

こんな感じでした。

 

 

今回は、

活字には、

弱い感情情報の他に

どんな情報がのっているのか。

それを探っていきたいと思います。

 

 

結論から先に言うと、

 

①話題の公共性を示す書き手の意図

 

②文字(活字)に示された情報の存在感

 

③活字の匿名性によって弱まりつつも

 わずかながらにある

 「書き手の存在感」

です。

 

 

「は?なんのこと?」

という感じですよね。

 

先走ってしまいました。

結論を早くお見せしても、

わかりにくいかと思います。

 

それでは、

活字に載っている情報を

これから1つ1つ順を追って

見ていきましょう。

今回は最初の2つの話をします。

 

①話題の公共性を示す書き手の意図

(今回の記事)

 

②文字(活字)に示された情報の存在感

(今回の記事)

 

③活字の匿名性によって弱まりつつも

 わずかながらにある

 「書き手の存在感」

(次回)

 

ということです。

 

それでは

さっそく検討していきましょう。

 

  

 

 

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2 ① 話題の公共性を示す書き手の意図

 

 2-1 活字の公共性からの説明

 

「話題の公共性?何の話?」

となるのが普通だと思います。

 

ここでは、

活字の公共性から

説明していきたいと思います。

 

活字には公共性があります。

 

「活字の公共性」とは、

活字が

不特定多数の人に読まれる可能性を

想定して用いられている、

ということです。

 

この点は、

次の記事で検討しています。

mojinosuke.hatenablog.com

この記事の中の、

こちらの項で説明しています。

http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2016/12/03/224000#5活字の公共性

 

活字は

不特定多数の人に読まれる可能性を

想定して用いられています。

 

 

例を挙げてみましょう。

 

例えば、

看板やメニューなどで

活字の説明文を見たとき。

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このとき、私は

「手書き文字でも可能な部分だけど

 みんなに見せるため、

 わざわざ活字にして説明している」

という印象を受けることが多いです。

 

活字は、手書き文字とは異なり

堅い感じがあり、

よくも悪くも「キッチリ」

という感じがします。

 

その意味で

活字は、何らかの公式の場や、

他人に対するフォーマルな説明を

想定していると思います。

 

ここで、

「いやいや、活字を使って、

 個人的な手紙を書くことも

 あるでしょう。」

と思う人がいるかもしれません。

 

たしかにそのとおりです。

活字がどんどん使われる現在では、

特定の人だけに宛てた手紙で

活字を使うこともあるでしょう。

 

ですが、

手紙に活字を使った場合、

書き手としては、

その活字が第三者の目に触れる

可能性があることを

意識しているように思います。

 

みなさんも

お仕事や学校でレポートを出す場合、

活字で作成することが

多いかもしれません。

 

活字で作成して提出するとき、

直接の提出先は上司や先生だとしても

「それ以外の誰かに見られるかも。」

と思っていませんか。

 

そのことを、もう少し

抽象的に分析してみましょう。

 

書き手は、

手紙に活字をつかったことで、

宛名の人に

「第三者が見てもわかるような

 読みやすい、キチッとした形式で

 お伝えしてますよ。」

というニュアンスを、

伝えているのだと思います。

 

そして、

読む方(宛名の人)も

キチッとした文章として

受け止めていることでしょう。

 

つまり、

書き手としては、

公共性がある活字を使って、

活字の文章の内容(つまり話題)に

一定の公共性があることを示す意図を

示している

ということになります。

 

 

 

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 2-2 手書き文字との対比 

 

同じことの繰り返しになりますが、

こんな説明の仕方もあります。

 

活字の公共性は、

手書き文字と対比して

言い換えると

わかりやすいかもしれません。

 

手書き文字は、特定の人に向けて

書かれていることが多いです。

手書き文字の指向性

そして、

手書き文字の文章には、

どこかプライベート感が

にじみ出ています。

手書き文字の私事性

 

みなさんが、

手書き文字の文書を受け取った場合を

想定してみて下さい。

 

その文書を

他人に見せる必要が出てきたとき、

見せるかどうか、

ためらいませんか。

 

これに対し、

活字は、基本的には

誰にとっても読みやすいように

設計されていて、

常に第三者を意識したもの

となっています。

 

そして、

書き手としては、

活字を使う以上は、

特定の人に宛てた手紙でさえも、

不特定の人に見られる可能性が

あることを自覚しています。

 

つまり、

活字は、

誰にでも見られるという

あらゆる場合を想定している。

活字の開放性

そして、

そのあらゆる場合の中に

不特定の人に対して用いられる可能性も

当然に含まれている。

活字の公共性

 

まとめて図式化すると

・手書き文字

  指向性 → 私事性

・活字

  開放性 → 公共性

となります。

 

そして、

公共性を持つ活字の形式を

わざわざ使うということは、

「話の内容の中に

 第三者が見ても理解できる

 公共性が一定程度存在すること」

(話題の公共性)

示す書き手の意図

がのっていることになります。

 

図にすると

・活字

 開放性 → 公共性 →

 → 話題の公共性を示す書き手の意図

 

つまり、書き手としては

「私のこの活字の文章は、

 他の人もすぐ読めて理解できる

 形式になっていますよ。

 そんな感じなので、

 この文章は第三者にもわかる

 話題ですよ。」

という意図を、

知ってか知らずしてか、

伝えていることになります。

 

このことは

「特定の人に宛てて

 活字で手紙を送るとき」

であっても、同じです。

 

したがって、

活字に載っている情報としては、

「話題の公共性を示す書き手の意図」

があります。

 

ちょっと小難しい説明になってしまいましたね。

 

 

要するに、

書き手が活字を使うということは、

意識的か無意識的かは別として

「キッチリした感」を出し、

「この話題には、

 第三者の人にも通じるような何か

 (公共性)が含まれていますよ。」

と暗示しているのだと思います。

 

 

 

 

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3 ②文字(活字)で示された情報の存在感

 

それでは次に、

別の情報が載っていないか、を

見ていきましょう。

 

文字(活字)には、

②文字(活字)で表された情報の

 存在感

があります。

 

 

この「情報の存在感」の

わかりやすい例は、

紙に「富士山」とか「神様」とか

活字で書かれていた場合です。

 

想像してみて下さい。

 

みなさんが

活字で「富士山」「神様」と

書かれた紙が道ばたに落ちていたら、

その紙をわざわざ踏む気になれますか?

 

もし、踏めと命令されても、

何かしらの抵抗感がある。

それが、ここでいう

②文字(活字)で表された情報の存在感

です。

 

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ただ、この

②活字で表された情報の存在感は

文字一般に備わっているものです。

もっと言えば、

絵やジェスチャーも含め、

コミュニケーションの道具として

情報を表すもの全般に備わるものです。

 

 

また、

②活字で表された情報の存在感は、

文字(活字)が並んだ結果の

「言葉」から発生する

情報の存在感の話です。

なので、

「活字自体に載っている情報ではない」

という見方も可能です。

 

今回は、

「毛筆や硬筆の字と比べて、

 情報量の少ない活字を

 どうやって情報量アップするか?」

という話題の中で、

活字に載っている情報の分析を

しています。

 

いまのところ、

②活字に表された情報の存在感から、

活字の情報量アップのヒントは

思い浮かびません。

その意味では、

今のところ、

検討の必要性はあまり高くありません。

 

ということで、

ここでは一応

「活字には、

 ②活字で表された情報の存在感

 が載っている。」

ということを

指摘するだけにとどめておきます。

 

 

ちなみに 

文字に表れた情報の存在感について

興味と時間のある方は

下の記事をどうぞ。

ショッキングな

鹿児島の「踏み字事件」を題材に

詳しく検討しています。

 

よかったら読んでみてください。

mojinosuke.hatenablog.com

 

 

4 まとめ

 

今回は、活字には、

①話題の公共性を示す書き手の意図

②文字に表れた情報の存在感

があるというお話でした。

 

それにしても、堅い話題でしたね。

話題が堅いと、文量が多くなくても

ボリューミィに感じることでしょう。

 

引き続き

記事のボリューム削減を目指しております。

 

続けると 

記事の内容が堅く、

さらに大幅に長くなりそうなので、

今回は、ここで終わりましょう。 

 

次回は、

「活字には匿名性があるものの

 ③書き手の存在感がある」

というお話をしたいと思います。

 

それでは、おつかれさまでした。

 

  

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