もじのすけ の文字ブログ

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文字について考えたことをつづっています

自分の字をなぞってみた③ 文字の線が吸いついてくる!?

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Pair-case repeating watch

Maker:Watchmaker: John Champion (British, 1730–1779)
Date:ca. 1770–72
Culture:British, London, made for Chinese market

Watchmaker: John Champion | Pair-case repeating watch | British, London, made for Chinese market | The Met

 

【目次】

 

 

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もじのすけです。

 

今回は

自分の文字をなぞってみたシリーズの

第3回です。

 

以前の記事はこちらです。

mojinosuke.hatenablog.com

mojinosuke.hatenablog.com

 

一応この2つの記事を読まなくても

大丈夫なように

今回の記事を書いております。

 

それでは先に進みましょう。 

 

 

 

1 お題のおさらい

 

自分の字はこちらです。

自分向けのメモとして

書いたものです。

 

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これを1回なぞりました。

 

最初の4行は、

他人の字をなぞるときと同じように

字をよく見ながらなぞりました。

 

最後の2行は

大まかに字を見ながら、

自分の書きたいように書きました。

なぞるというより、

もう一度書いてみたという感じです。

 

音読は大事。

・集中できる。

・目黙時に理解できたかのような誤解

 をチェックすることができる。 

 (ここまでが普通のなぞり書き)

 

・止まるのがよいことかどうかは

 時と場合による。 

(ここが、もう一度書く感じ)

 

 

なぞった後の結果がこちらです。

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それでは、今回は

最後の2行の、

大まかにしか字を見ずに

ほとんど2回目を書く感じで

なぞった感想をお話ししましょう。

 

 

 

 

2 無意識になぞった感想

 

 2-1 なぞった感想

 

再び挙げてみます。

 

1回目

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2回目

なぞると言うより、

字の形を大まかに見て

もう一度書いた場合はこちら。

 

ほとんど無意識に2回目を書いた

という感じです。

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さて、どんなことがわかるでしょうか。

 

けっこう、線が重なっていますよね。

 

実際に書いた人間の感想としては、

線を書いていると、

「元の文字の線の方が

 ペンに吸いついてくる」

という感じでした。

 

書いても書いても、

かなりの部分の線が重なるのです。

 

これは意外でした。

 

自分の字は結構変わらない

気づいたのです。

 

自分の身体の動きが一定

 

=そのときそのときに

 頭から出す指令が一定

 

=習慣、無意識のレベルで

 身体に染みついている

 

=性格が表れる

 

と感じました。

 

 

「そりゃ自分の字だから

 似るに決まってるでしょ。」

と思う人もいるかもしれません。

 

ですが、

実際に書いてみると

(なぞってみると)、

思った以上に似てくるので

ビックリしたのです。

 

 

 

 2-2 感想から一歩進んで考えたこと

 

その感想から推し進めて

考えてみました。

 

他人の字をなぞるときの感想は

自分の字をなぞったときの感想と

何が違うのでしょうか。

 

他人の字をなぞる場合は、

トメ、ハネ、ハライなどの、

線に関する決断について

自分の字を書く場合とは違うなあと

感じます。

 

「こんなところで止めないな。」

「こんなところまで払うのか。」

「ずいぶんハネるなあ。」

とか感じるわけです。

 

 

私たちは普段意識していませんが、

手書き文字を書くときには、

文字の線を書いている最中に

時間の流れに沿って、

いろいろ考えて決断しています。

(手書き文字の時間性・身体性)

 

ちなみに

「手書き文字の時間性・身体性」

下の記事に書いています。

 

下の記事では 

活字の「活」の字の

「さんずい」を書く間の心の動きを

スローモーションで実況中継しながら、

手書き文字の時間性・身体性について

解説しています。

 

興味のある方はどうぞ。

この記事です。 

mojinosuke.hatenablog.com

 

私たちは

他人の手書き文字をなぞると

この手書き文字を書く中での決断が

明らかに自分の字の時とは違う

と感じています。

 

 

つまり、

私たちは

他人の手書き文字を

見るときや

なぞるときには、

自分が字を書く場合

(すなわち自分の字)と

比べています。

 

そして

他人と自分の

性格の違いまで

感じ取っています。

 

 

ここで

もう少しだけ考えてみましょう。

 

なぜ、

私たちは、

他人の手書き文字から

自分との「性格の違い」まで

感じ取るのでしょうか。

 

一見すると

手書き文字の違い⇒性格の違い

とはストレートには

言えなさそうです。

 

その答えを考えてみました。 

 

それは、

①「何度書いても

  同じ人の手書き文字は

  あまり変わらないから」

そして

②「手書き文字はその人の性格を

  表しているから」

でしょう。

 

図にすると

 

 性格   ≠  性格

  ⇑②     ⇑②

手書き文字 ≠ 手書き文字

①(不変)    ①(不変)

 

こんな感じでしょうか。

 

 

もう少し①②を説明しましょう。 

 

まず、

①「手書き文字を何度書いても

あまり変わらないこと」は

今回自分の字をなぞってみて

わかりました。

 

また、

手書き文字について考えてみると

②手書き文字

⇒身体の動きを表す

⇒身体についての決断を表す

⇒無意識の習慣を表す

性格を表す

ということになりそうです。

 

①同じ人の手書き文字は変わらない

②手書き文字は性格を表す

 

これらのことを

読む人が前提にしているからこそ

手書き文字の違い⇒性格の違い

と感じ取るのだと思います。

 

 

この前提はおそらく正しいと思います。

補足説明として、

①他人の手書き文字が変わらない例も

1つ挙げておきます。

 

このブログの過去の記事では

室町幕府第3代将軍の

足利義満手書き文字

を解説しました。

 

その記事の中で

足利義満の手書き文字は

21歳の時と

48歳の時とで

特徴が変わらないこと

を示しました。

それがこちらです。

mojinosuke.hatenablog.com

 

 

以上のとおり、

私たちは、①②の前提をもとに

他人の手書き文字をなぞるときは、

自分が手書き文字を書くときと比較して

性格の違いを感じ取っている

といえるでしょう。

 

これに対し、

私たちが自分の字をなぞるときは、

自分と自分を比較するので

性格の違いは感じ取れません。

(当たり前ですが) 

 

それでは、

自分の字をなぞるときは

何の違いも感じないのでしょうか。

 

次の章で考えてみましょう。 

 

 

 

   「枕」と書かれた枕

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Pillow with Character Reading Zhen (Pillow)

Period:Jin (1115–1234)–Yuan (1271–1368) dynasty
Date:12th–13th century
Culture:China

Pillow with Character Reading Zhen (Pillow) | China | Jin (1115–1234)–Yuan (1271–1368) dynasty | The Met

 

 

 

3 自分の字と自分の字の違い!?

 

自分の字があまり変わらない、

とはいっても

当然のことながら

毎回全く同じ字ではありません。

 

お題を再び示します。

 

なぞる前

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なぞった後

上4行は丁寧め。

下2行は独自に書く感じ。

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ほとんど重なっていますが、

重なっていない部分に

注目してみましょう。

 

下2行

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その1行目の中の

「る」と「ま」をごらんください。

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「る」「ま」のふくらみの小さい方が

2回目の方です。

 

2回目の方が小さくまとまっています。 

ここは、私の気分を表しています。

 

2回目でも 

気が大きくなれば

もっと大きめに書きます。

反対に小さくなれば、

今回のように縮こまります。 

 

つまり

自分の字を何度か書いたときの

わずかな違いには、

私の気分

が表れています。

 

どうやら手書き文字には、

気持ちとまではいえないような、

大まかな「書き手の気分」まで

載っているようです。

 

気分によって字の形が変わるのであれば

どんな気分の時に

どんな字になるかを調べて見ると

新しい発見がありそうです。

 

どこかで実験してみたいと思います。

 

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商 青銅觚
Wine Beaker (Gu)

Period:Shang dynasty (ca. 1600–1046 B.C.)
Date:13th century B.C.
Culture:China

Wine Beaker (Gu) | China | Shang dynasty (ca. 1600–1046 B.C.) | The Met

 

 

 

 

 

 

 

4 自分の性格分析は次回に 

 

自分の字をなぞっていると

自分の字の線が

ペンに吸いついてくる感じがあり、

とても印象的でした。

 

今回の記事は、

その印象の原因を分析しました。

 

また、

自分が他人の手書き文字を見るときは

自分の字を暗黙の前提にして

性格の違いを感じ取っている

ということをお話ししました。

 

個人的な感想ではありますが、

みなさんも多分同じような感覚を

もっておられると思っています。

ちがったら、ぜひ教えてください。

 

 

・・・ああ。

前回予告した

自分の性格の分析を忘れてしまいました。

 

次回にまわしましょう。

 

これ以上長くなってもいけませんので、

ここで終わります。

 

おつかれさまでした。

 

 

  

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An Evening beside Lake Arresø

Artist:Johan Thomas Lundbye (Danish, Kalundborg 1818–1848 Bedsted)
Date:ca. 1837

Johan Thomas Lundbye | An Evening beside Lake Arresø | The Met

 

 

 

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