もじのすけ の文字ブログ

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文字について考えたことをつづっています

自分の字をなぞってみた④ 手書き文字から見える私の性格

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【目次】

(冒頭の作品)

Ceramic Horn

Date:late 18th or early 19th century
Geography:France
Culture:French
Medium:Glazed pottery
Dimensions:16 × 21 1/2 × 10 1/2 in. (40.6 × 54.6 × 26.7 cm)
Classification:Aerophone-Lip Vibrated-horn
Credit Line:The Crosby Brown Collection of Musical Instruments, 1889

Ceramic Horn | French | The Met

 

 

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もじのすけです。

 

今回は

自分の文字をなぞってみたシリーズの

第4回(最終回)です。

 

以前の3回の記事はこちらです。

最初

mojinosuke.hatenablog.com

 

第2回

mojinosuke.hatenablog.com

 

第3回

mojinosuke.hatenablog.com

 

 

今回の記事は 

上の3つの記事を読まなくても

大丈夫なように書いております。

 

手書き文字から読み取れる

私の性格を検討していきます。

 

 

それでは先に進みましょう。 

 

 

 

1 お題のおさらい

 

自分の字はこちらです。

自分向けのメモとして

書いたものです。

 

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これをペンで1回なぞりました。

 

最初の4行は、

他人の字をなぞるときと同じように

字をよく見ながらなぞりました。

 

最後の2行は

大まかに字を見ながら、

自分の書きたいように書きました。

なぞるというより、

もう一度書いてみたという感じです。

 

音読は大事。

・集中できる。

・目黙時に理解できたかのような誤解

 をチェックすることができる。 

 (ここまでが普通のなぞり書き)

 

・止まるのがよいことかどうかは

 時と場合による。 

(ここが、もう一度書く感じ)

 

 

なぞった後の結果がこちらです。

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それでは、今回は

文字に表れた私の性格を

分析してみましょう。

 

私の知っている私の性格ではなく、 

あくまで文字に表れた私の性格を

できる限り分析してみます。 

 

 

 

 

 

2 全体の特徴

 

今回はなぞる前の文字の特徴を

検討しますので、

なぞる前の字を拡大します。

 

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 2-1 字が大きく・濃いめ 

 

まずわかるのは、

字が大きく、線が濃い

ということです。

 

字が大きいということは、おそらく

元気である

自信をもっている

ということでしょう。

 

ひらがなよりも漢字が大きく、

ひらがなよりも漢字の方に

注意を向けている感じがします。

漢字は画数が多いので、

きちんと書きたいという気持ちが

表れているのでしょう。

 

ということは

キッチリしたがるタイプ

に見えます。

 

 

 2-2 横への展開・字の横幅が広め

 

次にわかるのは、

横の線をしっかり守り、

字の横幅が広い、ということです。

 

横の罫線をしっかり守っているので

几帳面なタイプ

であることがうかがえます。

 

また、

字の横幅が広いということは

結構粘っこい性格

を表しています。

 

ただし、今回は横書きなので、

それに合わせているだけ

かもしれません。

 

縦書きの時の字の幅を

見てみたくなります。

(自分の字なので

 本当は見ていますが)

 

 

 2-3 〇が多い

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見てください。

この文章は「○」が多いです。

 

まず、箇条書きの「・」が

小さい「○」になっています。

 

また、箇条書きの最後に

必ず句点の「。」がついています。

 

きっと○が好きな人なのでしょうね。

 

この特徴を分析してみましょう。

 

この書き手は

箇条書きの「・」を

わざわざ「○」にしています。

 

また、箇条書きの最後は

句点の「。」を入れないのが通常です。

それなのに、この書き手は

知ってか知らずか、

「。」を必ず入れています。

 

つまりこの書き手は、

「○」で始まり「。」で終わる形を

好んでいます。

 

この特徴からすると書き手は、

何かとキッチリしたがる

節目(型)にこだわる

という性格だといえましょう。

 

 

 2-3 文字の並び

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横書きだからか、続け字はありません。

また、

文字からスピード感は感じられません。

 

実際の動きが速いかどうかは別として

ゆっくりのペースを好み、

安定感にこだわっている感じがします。

 

ある種の隙の無さを感じさせます。

 

ところが、3行目を見てください。

「目黙時」の記載は明らかに

「黙読時」「目読時」の書き損じです。

 

他にも「速すぎる」の前に

書き損じがあります。

 

書き手は、

完璧を目指しているものの

実際には

どこか抜けている

ことも示しています。

 

 

人間だもの。

 

 

 

 

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"Smiling" Figure

Date:7th–8th century
Geography:Mexico, Mesoamerica, Veracruz
Culture:Remojadas

"Smiling" Figure | Remojadas | The Met

 

 

 

 

 

3 個別の字の特徴

 

それでは、次に

個別の字を見ていきましょう。

 

 

 3-1 平べったい「は」 

 

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「は」の下のふくらみが

とても平べったくなっています。

これは、

安定性を求める性格

の表れでしょう。

 

 

 

 3-2 たて長の「と」

 

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活字の「と」と比べてみてください。

縦線が明らかに長いです。

 

「と」の存在感を

増そう増そうとしています。

 

あきらめない性格

しつこい性格

だといえましょう。

 

 

 

 

 3-3 払いきらない「大」「集」

 

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ペンの影響もありそうですが、

「大」「集」の右の払いを

見てください。

払いきらずに止まっています。

書き終わりでも力をセーブする

というクセが出ているように見えます。

 

ただ、

右払いの線の長さは短くはないので、

基本的なエネルギーはありそうです。

 

ということは、

エネルギーはあるけど

出し惜しむ傾向

があるのでしょう。

 

 

 

 3-4 ハネが大きい

 

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ハネが大きいです。

かなり我が強そう

です。

 

 

 

 3-5 横幅の大きい「う」

 

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「う」の1画目の点は淡泊なのに

その後の横幅がとても大きいです。

安定志向、体力があること

を示しているようです。

 

 

 

 

 3-6 横線が反る「音」「止」

 

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横線を見てください。

長い上に大きく反っています。

安定性を求めつつも、

けっこう我が強そう

だと感じさせます。

 

 

 

 

 

 

4 性格分析のまとめ

 

いかがでしたでしょうか。

 

手書き文字から感じられる

もじのすけの性格は、

以下のような感じでした。

 

元気でエネルギーがあり、

安定性を求めて

スピードよりも型にこだわる。

 

力を出し惜しむ傾向があり、

我が強く、じっくり粘る性格で、

キッチリしたいと完璧を目指すも

どこか抜けている。

 

 

 

どうでしょうか。

 

みなさんがもじのすけの

手書き文字を見たときの印象と

同じでしょうか。

 

よかったら比べてみてください。

 

 

 

5 自分の字をなぞった感想 

 

今回 

自分で自分の字をなぞってみると

かなり面白かったです。

分析は

けっこう当たっている気がします。

 

自分が書いた文字を見ながらだと

自分の良いところも悪いところも

頭だけで考えるより

冷静に分析できるように思います。

 

本気で分析すれば、

書いてある文章の内容や

書きぶりも参考にして、

書いた時点の気分までも

解明できそうです。

 

 

ここで

自分の手書き文字をなぞる

ということの他に、

自分の手書き文字の公開

という行動についても

お話ししたいと思います。

 

当たり前ですが

・自分の手書き文字をなぞること

・自分の手書き文字を公開すること

この2つは全く別のものです。

 

 

自分の手書き文字の公開は

自己紹介の意味があります。

 

自己紹介を書こうとすると

話を盛ったり、卑下したりしがち。

 

そうすると、

自分のことを書く自己紹介よりも、

自分の手書き文字を使った

自己分析の紹介の方が

確実かもしれません。

 

自己分析に 

手書き文字という根拠が

セットになってますし。

 

 

元の字を書き、エゴが入った

私の文字分析よりも

みなさんの方が冷静に

私の性格を読み取れると思います。

 

そうやって考えると

自分の手書き文字を使った自己紹介は

活字で文章を書くよりも

自分があからさまになり、

恐ろしいものかもしれませんね。

 

自分の字の公開記事を4つも書いた

私の場合は、もう手遅れですが・・・。

 

 

 

 

6 手書き文字を見せるということ

 

手書き文字を他人に見せるということは

どういうことなのか。

もう少し見てみましょう。

 

・書き手の気持ち

・読み手の気持ち

・自分が両方を兼ねるときの気持ち

の3つの場合に分けて

考えてみましょう。

 

 

 

 6-1 書き手側の気持ち

 

正直なところ、今回の

「自分の字をなぞってみた」シリーズで

自分の手書き文字を公開するのは

抵抗感がありました。

 

普段から書をされている方を除き、

読者の方も、普通は

自分の手書き文字を公開しようとは

思わないでしょう。

 

その1番の理由はやはり

「恥ずかしいから」

ではないでしょうか。

 

 

今回、

自分の手書き文字をなぞってみて

手書き文字は

書き手が思っている以上に

書き手の性格が見えてしまう、

と改めて思いました。

 

その怖さを直感的に感じるからこそ

手書き文字を見せるのは恥ずかしい

と思うのではないでしょうか。

 

個人的には

手書き文字を他人に見せるということは、

・自分の部屋の本棚のタイトルを

 他人に見せる

・自分が夜に見た夢を他人に語る

のと似ている感じがします。

 

「手書き文字を見せるのは

 恥ずかしい。」

これは他にも理由があると思います。

 

 

手書き文字を見せると

・恥ずかしいかどうか

・(恥ずかしい人は)なぜ恥ずかしいか

・どれくらい恥ずかしいか

・(恥ずかしくない人は)なぜ

 気にならないか

 

人によって違いそうなので、

機会を改めて検討しようと思います。

 

 

 

 

 6-2 読み手側の気持ち

 

今度は、

なぞる側、見る側の立場から

考えてみましょう。

 

「なぞってみた」シリーズでは

過去の有名人、たとえば

織田信長豊臣秀吉夏目漱石

手書き文字から、

その人物像に迫っています。

 

あくまで個人の感想にすぎませんが、

今回のシリーズで、

やはりその人に肉薄していたのだ

という自信がつきました。

 

もちろん、手書き文字には

他人向けのよそ行きの文字と

自分向けの気を抜いた文字との

雰囲気の違いはあります。

 

その意味で、

誰かの手書き文字をなぞるときは

誰に向けた文字か、という

シチュエーションを考慮する必要は

あるかもしれません。

 

でも、

分析の時にシチュエーションに

気をつけさえすれば、結局は

書き手が思っている以上に

かなりのことが読み取れるでしょう。

 

 

 6-3 書き手かつ読み手の気持ち 

 

みなさんが

「恥ずかしい」ので

なるべく自分の手書き文字を

他人に見せたくない、と

思ったとしましょう。

 

その気持ちには

十分な理由があると思います。

 

ただ、

自分の性格の分析をする場合には

話が変わってきます。

 

別に他人に自分の手書き文字を

公開する必要はありません。

自分で見る限りは

「恥ずかしい」ことはないでしょう。

 

 

たとえば

日記を付けている人の場合は、

その日記の自分の手書き文字が

一番分析しやすいかもしれませんね。

 

今回のシリーズで

お題としてご紹介したように

自分のメモ書きでも十分でしょう。

 

じっくり見るだけでもよいですが

なぞった方がよくわかります。

 

「そんなの、しんどいよ。」

という人もいることでしょう。

 

自分の手書き文字を見つめることは、

鏡で自分の顔をまじまじと見るような

感じにもつながります。

「しんどい。」と思うのも

もっともなことだと思います。

 

そのように感じる場合は

無理になぞる必要はありません。

 

 

でも、考えてみて下さい。

 

書を習っている人でない限り、

一生の中で

自分の字をなぞってみようとは

思うことはまずないでしょう。

 

せっかくですので

やってみると

新鮮な発見があると思いますよ。

 

誰にも見せずに

1人でひっそりなぞってみる。

 

面白そうだと思ったら、

ぜひおためしあれ。

 

 

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橫濱繁昌記
Diary of Yokohama (Yokohama hanjōki)

Period:Edo period (1615–1868)
Culture:Japan
Medium:One volume incomplete woodblock printed book; ink and color on paper

Diary of Yokohama (Yokohama hanjōki) | Japan | Edo period (1615–1868) | The Met

 

 

 

 

 

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 上杉謙信の手書き文字から作った

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