もじのすけ の文字ブログ

もじのすけ の文字ブログ

文字について考えたことをつづっています

音読をするということ

f:id:mojinosuke:20180611192313j:plain

 

 

【目次】

 

 

(冒頭の作品)

"Give Me Liberty or Give Me Death!–Patrick Henry delivering his great speech on the Rights of the Colonies, before the Virginia Assembly, convened at Richmond, March 23rd, 1775. Concluding with the above sentiment, which became the war cry of the Revolution"
Publisher:Currier & Ives (American, active New York, 1857–1907)
Date:1876
Medium:Hand-colored lithograph
Dimensions:image: 8 3/4 x 12 11/16 in. (22.3 x 32.3 cm)
sheet: 13 1/2 x 17 11/16 in. (34.3 x 45 cm)
Classification:Prints

https://www.metmuseum.org/art/collection/search/380487

 

 

 

f:id:mojinosuke:20170420192746p:plain

 

もじのすけです。

今回は文章の「校正」と「音読」の効用についてお話ししたいと思います。

  

1 「校正」用語 

 

「もじのすけの文字ブログ」というブログを書いて毎週木曜日に更新しているわけですが、仕事が多忙で最近のストックはゼロです。現在木曜日の午後10時10分。つまり、今から書くしかありません!

 

今日はあと1時間50分しかありません。

心が折れそうになりますが、がんばって書きたいと思います。

 

はあ~。それにしても、時間って大事ですね。

今日は、このブログにとりかかる直前まで、ある作業をやっていました。

 

それは「文章の校正」です。

 

ちなみに「校正」(こうせい)というのは、校正刷りと原稿を見比べて、誤字、レイアウトの違いなどを正す作業、です。

 

「誰かの文章の校正をしてあげているの?」

「ひょっとしてもじのすけは、出版関係者?」

 

 

・・・どちらも違います。

・・・誰かの文章って、もじのすけ自身の文章です。

・・・他人の文章ではなく自分の文章を校正するので、もじのすけは出版関係者ではありません。

 

自己紹介の記事に書いてありますが、ただの「自営業者」です。

 

mojinosuke.hatenablog.com

 

 

実は今、共著の本を執筆しているのです。

 

その本の「初稿」(しょこう)と「初校」(しょこう)が出版社から私の手元に届いたのです。

 

編集の方からの連絡文には

「『初校』(しょこう)に『著者校』(ちょしゃこう)を入れて下さい。『再校』(さいこう)で終わりにしたいと思います。『初稿』(しょこう)はお返しします。」

と書いてありました。

 

しょこう?

ちょしゃこう?

さいこう?

しょこう?

 

 

どういうこと?

 

 

「初稿」(しょこう)というのは、最初の原稿のことです。

 

「初校」(しょこう)というのは、

印刷物のレイアウトや色調を確認するための最初の校正刷り

です。

初校(しょこう)とは - 初校の読み方・印刷用語 Weblio辞書

 

 

つまり、

私が最初に書いた原稿(「初稿」)を出版社の編集の方が、デザインしてレイアウトや文章を整え、校正刷り(「初校」)を送ってくださったのです。

そして、その封筒には、私の最初の原稿である「初稿」も入っていたのです。

 

 

本の校正は専門用語が多く、私も慣れていませんが、校正用語をいくつかご紹介しましょう。

校正の作業の流れに沿って、知ったかぶりですが、自分の言葉で説明し、私(もじのすけ)の実際の状況をもとに例文を書いていきます。

せっかくなのでみなさんも、ぜひイメージしてみて下さいね。

【誤説明御免】

 

 

それでは、校正用語のはじまり、はじまり~。

 

 

入稿(にゅうこう):書いた原稿を提出すること

もじのすけは、原稿を一生懸命書き上げて出版社に「入稿」しました。

 

初稿(しょこう):最初の原稿

もじのすけは、「初稿」を出版社に「入稿」しました。

 

赤を入れる:書いた原稿に修正指示を赤字で書き入れること

もじのすけのもとに郵便で返ってきた「初稿」には「赤が入れ」られていました。

 

初校(しょこう):最初の原稿のレイアウトなどが整えられた印刷版

もじのすけが手にした封筒には、「赤が入った」「初稿」の他に、「初稿」のレイアウトを整えた「初校」が入っていました。その「初校」にも「赤が入って」いました。

 

著者校(ちょしゃこう):原稿に著者が校正をすること、またはその校正された原稿

もじのすけは、すでに編集者によって「赤が入った」「初校」を、さらに著者の目線で「校正」し、「著者校」が終わりました。そして「著者校」を出版社に郵便で発送しました。

 

再校(さいこう):初校を直した二回目の校正刷り。「二校」ともいう。

もじのすけは、「著者校」を発送した後、「再校」を待っています。「再校」が返ってきたら、そのチェックをして終わりにしようと思っています。

 

念校(ねんこう):念のための校正

編集の方の連絡文には「『再校』で終わりにして下さい。」と書いてありました。

なので、もじのすけは、「著者校」を反映した「再校」が自分の手元に返ってきたら、それに「著者校」として最後の「赤を入れて」出版社に提出しようと思っています。そして、それで終わりにしようと思っています。「念校」までは要らないと思っています。

 

校了(こうりょう):校正終了

もじのすけは、「再校」に最後の「赤を入れて」出版社に送り、「校了」したいと思っています。

 

(参考になる一般的な説明はこちら)

これだけ知っておけば大丈夫!校正にまつわる7つの専門用語 | 連載コンテンツ

 

はい!おつかれさまでした。

用語説明にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

「間違いがないか。もっと読みやすくならないか?」と意識して読んでいくと、とても目がつかれました。つかれたままの流れで一気にブログを書いている、というわけでございます。

 

 

 

 

2 「音読」の効用

 

さて、唐突ですがここで問題です。

 

校正するとき、誤字脱字を発見し、より読みやすい文章を書こうと思ったら、どうするのがよいと思いますか。タイトル名や見出しに書いているので、バレバレですが(笑)。

 

 

それは、 音読 です。

しかも、視線にあわせて指で文字列をなぞると、もっとよいです。

 

 

何がよいのか。

 

 

私の場合、目だけで読むと、どこかでめんどくさくなり、必ず読み飛ばしてしまいます。

それを防ぐために、指やシャーペンで文字列をなぞると、目は着実に文字を追えます。ですが、つかれてきて指だけが動く瞬間があり、読み飛ばしを完全には防げません。

 

ところが、音読する、つまり「声に出して読む」ことをすれば、1文字1文字を必ず発音することになるのです。この音読の効用は計り知れません。これに匹敵するチェック方法は「文字をなぞる」ですが、時間がかかりすぎます。

 

音読をすると必ず1文字ずつ発音する。そうすると、確実に1回は全部の文字について誤字脱字をチェックできるのです。しかも文字列を指で追えば、読み飛ばしもなくなります。

 

音読のすごいところは、文章を読み上げることになり、句読点を打つポイントや、文章自体の自然さ・不自然さ、文章の長さ、リズム、文章の論理的つながり、気持ち的つながり、自信のある部分と無い部分、説得力などを自然とチェックできるようになるのです。

 

私は校正をするときに音読しています。

 

そんな私の目からすると、小さい頃からの子どもへの本の読み聞かせ、子どもの本の朗読は非常に重要だと思います。

 

大人にとって、音読は「校正」以外にも大変重要ですよ、というお話をしたいと思いましたが、長くなりそうなので、今日はこの辺りで止めておきます。

 

この記事を書き終え、ただいま午後11時52分。木曜日終了まであと8分しかない!

ということで、この記事は音読による「校正」をせずに「入稿」しました。

 

おつかれさまでした。

 

 

 

f:id:mojinosuke:20180611192540j:plain

Abraham Lincoln
Artist:William Marsh (American, active Springfield, Illinois, 1850s–1860s)
Person in Photograph:Abraham Lincoln (American, Hardin County, Kentucky 1809–1865 Washington, D.C.)
Date:May 20, 1860
Medium:Salted paper print from glass negative
Dimensions:Image: 19.9 x 14.5 cm (7 13/16 x 5 11/16 in.)
Classification:Photographs

https://www.metmuseum.org/art/collection/search/283191

 

 

 

 

  page top ↑

 

 

 

f:id:mojinosuke:20170412200459j:plain 

 

 上杉謙信の手書き文字から作った

 「けんしんフォント」無償公開中

  【ダウンロードはこちら】

        ↓
 http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2017/04/06/130000

 

  

定期的に読んでいただけると嬉しいです。

はてブもいただけると嬉しいです。  

↓↓↓