【目次】
こんにちは。もじのすけです。
なぞってみたシリーズの第6弾です。
皆さんに考えてもらうため、
今回も、第4弾、第5弾の
あの人の字をなぞってみた(2) - もじのすけ の文字ブログ
と同じく、
有名人の名前は伏せています。
記事が長いとの声をいただきましたので、
軽めの記事の場合は、
今までより短めにしようと思います。
そこで、
今回は問題と解答まで進み、
次回は
なぞってみた感想を
お話ししたいと思います。
皆さんも
お時間があれば、
今回の問題の書状を
プリントアウトして
なぞってみて下さい。
手書き文字をなぞってみると、
正解がわかった後に
実感がこみあげてくると思いますよ。
ぜひプリントアウトして、
なぞってみることをお勧めします。
がんばって当ててみてくださいね。
1 文字なぞり遊びのおさらい
問題に入る前に、
毎度のことですが、一応文字なぞり遊びの
おさらいをしておきますね。
段取りは以下のとおり。
1 有名人の公開された手書き文字を
紙にコピーする。
2 紙上の手書き文字をなぞる。
3 なぞってその人の性格を感じる。
以上終わり。
あっさりするほど簡単です。
2 文字なぞり遊びの注意点のおさらい
続いて、権利関係で
知っておくべきポイントは
以下のとおり。
公開された手書き文字と
それを載せている媒体
(出版物、HPなど)が、
適法に公開されたものであれば、
誰の手書き文字であっても
それを紙にコピー(複製)して、
自分でなぞって楽しむ限りでは、
著作権法上適法です
(私的使用のための複製
著作権法30条)。
この結論だけは知っておいてください。
3 この書を書いた有名人は誰?
3-1 問題
それでは、早速見てみましょう。
この書を書いたのは誰でしょうか。
(出典の引用は本文末に記載。
署名、花押は画像外)
どうでしょうか。
くずし字の数は少なく、
ごつごつとした字なので、
読めるとは思います。
ですが、
字だけ見ても書いた人を当てるのは
難しいかもしれませんね。
一発で当てられたらすごいです。
3-2 ヒント1
文字から読み取れる情報をもとに
ヒントを。
この書状は願文というもので、
石清水八幡宮にあてたものです。
石清水八幡宮といえば、
お宮の山に生える「八幡竹」。
エジソンが発明した
白熱電球のフィラメントの素材として
有名です。
耐久性がある自然の素材として、
一時期、アメリカの家庭に普及しました。
はちまんさんとエジソン | 石清水八幡宮にまつわる話 --- 石清水八幡宮
白熱電球は、私たちの
パソコンやスマホの光の原型になるもの
といってよいでしょう。
この石清水八幡宮は、
京都のぎりぎり大阪寄り、
ちなみに
天下分け目の決戦は
この山崎の戦いは
石清水八幡宮の前を流れる川を
挟んだ対岸で繰り広げられました。
ということで、
今回の人は京都あたりにいた人だ
ということがわかります。
3-3 ヒント2
実は「康暦」(こうりゃく)
という年号は
わずか2年しかありません。
康暦元年と康暦2年だけ。
そこでググってしまえば、
答えは出てきますが、
ここは、
こらえていただきましょう。
室町時代とだけ言っておきます。
3-4 ヒント3
たて書きで活字にしてみました。
読んでみてください。
康 状祈右 敬
暦 如謝為 白
二 件也寿 石
年 可命 清
六 奉長 水 立
月 寄遠 八 願
一 神所 幡 事
日 領令 宮
之
(もじのすけ勝手訳。誤訳御免)
敬白 お願い事
寿命長遠を祈り、感謝申し上げます。
神領として土地を奉納いたします内容は
このとおりです。
康暦2年6月1日
この次の行は省略していますが、
「(肩書)〇〇(花押)」となります。
・・・どうでしょうか。
土地を寄進するぐらいですから、
相当の実力者ですね。
そろそろ、
対象の人物が
絞られてきたかもしれませんね。
3-5 ヒント4
ここからは
文字以外からの外部情報も
ヒントにします。
これを書いた人は
このとき、まだ21歳!
21歳の若者が
神社に土地を寄進するとは
結構な身分ですよね。
初めて知ったのですが、
お母さんが
石清水八幡宮の関係者だったそうで
本人もよくお参りしていたようです。
ここで
を読んだことのある人向けに
さらなるヒントです。
今回の人は、
2つの問題の正解の人の
どちらにも関係します。
3-6 最終ヒント
この表紙画像に顔が出ています。
このアニメの紹介の画像にも
顔が映っています。
というかタイトルだけで
わかってしまうかも。
4 正解
正解は、
室町幕府第三代将軍
でした。
足利義満像(鹿苑寺蔵) Wikipedia「足利義満」より。
今回の画像の全体像と釈文はこれです。
いずれも
「書の日本史〈第3巻〉鎌倉/南北朝」(今井庄次編)
(平凡社 初版 昭和50年)P284、285
釈文は佐藤和彦氏のものを
引用させていただきました。
名前がしっかり書いてあり、
くずし字が少ないので、
読みやすいといえば
比較的読みやすいですね。
ただ、
原文のまま読むのであれば、
高校で習う
漢文や古文の知識がないと
内容がわからないとは思います。
足利義満といえば
老獪な政治家
というイメージがありますが、
今回の書は21歳のときのものです。
なぞってみたら、
どんなことが読み取れるのでしょうか。
5 次回の予告
次回は、
足利義満の字をなぞってみた感想を
書いていきたいと思います。
この記事を読まれた皆さんも
お時間があれば
ぜひ事前になぞってみてください。
「21歳の若者だった
生身の足利義満が
迫ってくる」
という実感がありますよ。
歴史書だけでは感じられない
足利義満の直筆(手書き文字)
の醍醐味を
ぜひ味わってみてくださいね。
今回はここまでとします。
おつかれさまでした。
上杉謙信の手書き文字から作った
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