もじのすけ の文字ブログ

もじのすけ の文字ブログ

文字について考えたことをつづっています

文字と数字と記号 

b&w accession number

 

 

 

(冒頭の作品)

Letter with hieratic inscription

Period:New Kingdom
Dynasty:Dynasty 18
Date:ca. 1550–1295 B.C.
Geography:From Egypt, Upper Egypt, Thebes, Deir el-Bahri, Temple of Hatshepsut, In rubbish near foundation deposit 9, MMA excavations, 1926–27
Medium:Papyrus, ink
Dimensions:A: L. 8 cm (3 1/8 in.); W. 4 cm (1 9/16 in.)
B: L. 3.5 cm (1 3/8 in.); W. 3.5 cm (1 3/8 in.)

https://www.metmuseum.org/art/collection/search/554654

 

 

f:id:mojinosuke:20170420192746p:plain

 

 

もじのすけです。 

 

1 前回の記事のおさらい

 

前回の記事では、

学校のガラスに素数が書かれていた

というツイッターをご紹介しました。

 

このツイッターを出発点として

考えた内容は、前回の記事をご覧下さい。

mojinosuke.hatenablog.com

 

今回問題にしたいのは内容ではありません。

タイトルです。

タイトルをよく見てください。

 

「私たちは記号から何を読み取るのか」

 

気づいた方はいないと思いますが

前の記事は

記号 の話になっています。 

 

これはいけません。

私のブログは文字ブログです。

このままでは文字ブログとはいえません。

 

 

ということで、

今回は前回の記事の続きを書きます。

 

今回は

文字と数字と記号の関係

 

について考えてみたいと思います。

 

 

 

2 文字と記号 

 

まず「記号の中身」を調べてみましょう。

 

 

大辞林 第三版の解説

きごう【記号】

① 一定の事象や内容を代理・代行して指し示すはたらきをもつ知覚可能な対象。狭くは種々の符号・しるし・標識などを指すが、広くは言語や文字、さらには雨を知らせる黒雲や職業を示す制服なども含まれる。事象との結びつきが雨と黒雲のように事実的・因果的なものを自然的記号、職業と制服のように規約的なものを人為的記号と呼ぶ。また、事象との結びつきが一義的・直接的なものをサインまたはシグナル、多義的・間接的であるものをシンボルとする分類もある。交通信号や道路標識は前者の、言語や儀礼は後者の代表である。

https://kotobank.jp/word/%E8%A8%98%E5%8F%B7-2627

 

三省堂大辞林によれば、

文字は(広義の)記号に含まれるようです。

 

そして、

文字以外の「符号・しるし・標識」も

記号に含まれるようです。

 

たとえばこんなのは記号でしょうね。

「☎」「♂」「♀」

「〒」「@」「¥」

 

数学で言えば

「>」「=」「≠」とかも

記号でしょうね。

 

ということで、

文字は記号だけど

文字以外の記号もある。

 

つまり

「文字は記号の一種」

ということになります。

 

 

3 文字と数字 

 

次に、数字とは何かを見てみましょう

大辞林 第三版の解説

すうじ【数字】
① 数を表す文字。漢数字(一・二・三…)・アラビア数字( 1 ・ 2 ・ 3 …)・ローマ数字(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ…)など。

https://kotobank.jp/word/%E6%95%B0%E5%AD%97-540436

 

数字は、「数を表す文字」ですから、

数字は文字に含まれるようです。

 

当然ですが

「当」「然」「で」「す」「が」

はそれぞれ文字ですが数字ではありません。

ということで

数字以外の「ひらがな」や「漢字」も

文字に含まれます。

 

結論としては、

数字は文字だけど

数字以外の文字もある。

 

つまり、

「数字は文字の一種」

ということになります。

 

 

4 文字と数字と記号

 

今までの話をまとめてみましょう。

「文字は記号の一種」

「数字は文字の一種」

 ということです。

 

並べ替えると

数字は文字の一種。文字は記号の一種。

 

正確な数学記号を使うと

「数字⊂文字⊂記号」

となります。

 

不正確をおそれず

イメージ的に分かりやすい記号を使うと

「数字<文字<記号」

となります。

 

前回の記事は

数字(素数)の話と

文字(車内広告)の話をしていました。

 

「数字<文字<記号」

ですから、

結局、前回の記事は

記号の話というよりも

数字を含む文字の話していたのです!

 

はい!これにて伏線回収!(後付け)

 

ちなみに私は今まで

①数字と文字は別モノで、

②記号は数字や文字やそれ以外を含む

と思っていました。

 

②は正しかったのですが、

今回の記事を書いている中で

①が誤解だったことを知りました。

 

こうして私は

ブログ記事を書いているうちに

自分の誤解に気づきました。

 

ブログ記事は書いてみるものですね。

 

 

 

5 数字は数だけを表す文字か

 

ここまで、難しくて重い話に

お付き合いくださり、

まことにありがとうございました。

 

「数字は文字の一種」

 

この数字と文字の関係は

みなさんの頭に入りましたね。

 

最後は「ゴルゴ13」を使って

軽やかに推理をしてみましょう。

 

 

 

(知らない人向けに)

ゴルゴ13(サーティーン)は

超一流のスナイパー(狙撃者)です。

その出身などは謎に包まれています。

 

ウィキペディアによる解説も

引用しておきましょう。

生年月日・年齢・国籍・経歴:いずれも不明

外見:東洋系。外見からは日本人、日露混血、日ユ混血、日中露混血などの推測がある[4][5]。短髪。無駄のない筋肉質の体を持ち、全身に無数の傷跡(銃創、切り傷など)がある。「剃刀の刃」と形容される鋭い目つき、猛禽類の翼のような眉毛が印象的。髪の色は黒、瞳の色は鳶色(『冷血キャサリン』)。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%82%B413_(%E6%9E%B6%E7%A9%BA%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%89%A9)

 

ゴルゴ13は

依頼者から受け取った破格の報酬を

スイス銀行の秘密口座に預けています。

 

下は「ゴルゴ13」の一場面です。

ゴルゴ13自身が語る

スイス銀行の口座番号はこちらです。

 

f:id:mojinosuke:20190502174654p:plain

ゴルゴ13(3)(さいとうたかを/さいとう・プロダクション。コミックス単行本:リイド社(1973年) 電子版:小学館(2007年)P267 『最後の間諜―虫―』)

 

ウィキペディアによる説明はこちらです。

ドワイト・D・グリンヒルが頭取を務めるスイス銀行にあったゴルゴ13の口座の番号は「F5・R6・I5・D1・A3・XY」となっていた。数字だけ抜くと「56513」になる。英文字を抜くと「FRIDAXY」となり、「FRIDAY」と解釈すれば「13日の金曜日」に通じる。(リイド社コミックス第3巻『最後の間諜―虫―』)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%82%B413_(%E6%9E%B6%E7%A9%BA%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%89%A9)

 

ゴルゴ13自身が

13日の金曜日」を連想させる番号を

選んでいます。

さすがですね。

 

ですが

今回われわれが着目したいのは

こちらです。

 

「56513」

 

どうでしょうか。

みなさんは気づきましたか?

 

これは明らかに

「ゴルゴ13」

を示すものではないでしょうか。

 

最後の「13」は

「じゅうさん」

「サーティーン」

 を示すものでしょう。

 

最初の「5」「6」「5」は

「ゴ」「ル」「ゴ」を示すもの

と思われます。

 

 

みなさん

ここでよく考えてみてください!

 

このときの「5」「6」「5」は

数を示すものではありません。

 

「5」=「ゴ」

「6」=「ル」

「5」=「ゴ」

ですから、

「カタカナみたいなもの」

といってよいでしょう。

 

少なくとも

日本語を使える人なら共通して

このような読み方ができるでしょう。

 

つまり数字は

数だけを表す文字ではありません。

 

日本語の場合には、

数字は

「カタカナ・ひらがなみたいな表音文字

になることがある

と考えてよいでしょう。

 

 

6 ゴルゴ13の出自

 

ゴルゴ13は

「56513」という口座番号を使っています。

 

「ゴルゴ13」。

 

「5」=「ゴ」と読むのは

日本語だけでしょう。

 

そして

「6」=「ル」とムリヤリ読むのも

日本語だけでしょう。

 

「565」=「ゴルゴ」

このセンス、かなりダサい。

 

いったいどんな人が使うでしょうか。 

もちろん

日本人でなくても、

日系人でなくても、

日本語をよく理解している人であれば

この語呂は使えることでしょう。

理論的には。

 

ですが、

日本人でも日系人でもない人が

センス的にこのダサい語呂を

あえて選ぶでしょうか。

 

ゴルゴ13は日本人だ

という噂もありますし、

日系人だという噂もあります。 

外見:東洋系。外見からは日本人、日露混血、日ユ混血、日中露混血などの推測がある[4][5]。

Wikipediaゴルゴ13」から抜粋引用。再掲)

 

ゴルゴ13は

「565」を「ゴルゴ」としてしまう

センスの持ち主です。

発想がかなり日本人的です。

 

そんなセンス・発送を持った

ゴルゴ13の出自は、噂どおり

少なくとも日本文化に

深く関わっている

日本人か日系人だと思いました。

 

もっとも、

そう思わせることこそが

ゴルゴ13の狙い

なのかもしれませんが・・・。

 

 

 

(余談)

ゴルゴ13の漫画の1コマから

彼の考えを読み取れるかどうか

遊んでみた過去の記事はこちらです。

https://mojinosuke.hatenablog.com/?page=1532592000#%EF%BC%93%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%82%B4%EF%BC%91%EF%BC%93%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88

 

それでは「ゴルゴ13の考え」はどうでしょうか。次のゴルゴ13の1コマを見て、彼が何を考えているのかを当ててください。

 

f:id:mojinosuke:20180714145707p:plain 

「ゴルゴ13」187巻 極北航路 P200より

 

お時間のある方はこちらもどうぞ。

(余談終わり)

 

 

 

今日はこのへんで失礼します。

 

 

f:id:mojinosuke:20190502194646p:plain


Crucifix on a Golgotha Base

Maker:Base by Giuseppe de' Levi (Italian, Verona 1522–1611/14 Verona)
Maker: Corpus probably by Unidentified Milanese artist
Date:ca. 1590–1600
Culture:Italian, Verona
Medium:Corpus: gilt bronze; cross and base: bronze
Dimensions:Overall (Corpus - 76 a) (confirmed): 12 3/8 × 11 1/8 × 3 in. (31.4 × 28.3 × 7.6 cm)
Overall (base - 76b) (confirmed): 4 7/8 × 9 3/4 × 7 1/8 in. (12.4 × 24.8 × 18.1 cm)
Overall (combined) (confirmed): 23 5/8 × 11 1/8 × 7 1/8 in. (60 × 28.3 × 18.1 cm)
Classification:Sculpture-Bronze

https://www.metmuseum.org/art/collection/search/206875

 

f:id:mojinosuke:20170412200459j:plain 

 

 上杉謙信の手書き文字から作った

 「けんしんフォント」無償公開中

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 http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2017/04/06/130000

 

  

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