(冒頭の作品)
Letter with hieratic inscription
Period:New Kingdom
Dynasty:Dynasty 18
Date:ca. 1550–1295 B.C.
Geography:From Egypt, Upper Egypt, Thebes, Deir el-Bahri, Temple of Hatshepsut, In rubbish near foundation deposit 9, MMA excavations, 1926–27
Medium:Papyrus, ink
Dimensions:A: L. 8 cm (3 1/8 in.); W. 4 cm (1 9/16 in.)
B: L. 3.5 cm (1 3/8 in.); W. 3.5 cm (1 3/8 in.)
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/554654
もじのすけです。
1 前回の記事のおさらい
前回の記事では、
学校のガラスに素数が書かれていた
というツイッターをご紹介しました。
僕が高1くらいのとき、母校の玄関のガラスに先輩が突っ込んで割った事件があった。そのあと張り直されたガラスには素数がめっちゃ刻印されてて、なんでやろ?って思ったら、同級生が「割れへんようにちゃう」と言って納得。天才か? pic.twitter.com/r8rv6bDBrR
— 城井ふとん / joyfuton (@futon345) December 23, 2017
このツイッターを出発点として
考えた内容は、前回の記事をご覧下さい。
今回問題にしたいのは内容ではありません。
タイトルです。
タイトルをよく見てください。
「私たちは記号から何を読み取るのか」
気づいた方はいないと思いますが
前の記事は
記号 の話になっています。
これはいけません。
私のブログは文字ブログです。
このままでは文字ブログとはいえません。
ということで、
今回は前回の記事の続きを書きます。
今回は
文字と数字と記号の関係
について考えてみたいと思います。
2 文字と記号
まず「記号の中身」を調べてみましょう。
大辞林 第三版の解説
きごう【記号】
① 一定の事象や内容を代理・代行して指し示すはたらきをもつ知覚可能な対象。狭くは種々の符号・しるし・標識などを指すが、広くは言語や文字、さらには雨を知らせる黒雲や職業を示す制服なども含まれる。事象との結びつきが雨と黒雲のように事実的・因果的なものを自然的記号、職業と制服のように規約的なものを人為的記号と呼ぶ。また、事象との結びつきが一義的・直接的なものをサインまたはシグナル、多義的・間接的であるものをシンボルとする分類もある。交通信号や道路標識は前者の、言語や儀礼は後者の代表である。
https://kotobank.jp/word/%E8%A8%98%E5%8F%B7-2627
文字は(広義の)記号に含まれるようです。
そして、
文字以外の「符号・しるし・標識」も
記号に含まれるようです。
たとえばこんなのは記号でしょうね。
「☎」「♂」「♀」
「〒」「@」「¥」
数学で言えば
「>」「=」「≠」とかも
記号でしょうね。
ということで、
文字は記号だけど
文字以外の記号もある。
つまり
「文字は記号の一種」
ということになります。
3 文字と数字
次に、数字とは何かを見てみましょう
大辞林 第三版の解説
すうじ【数字】
① 数を表す文字。漢数字(一・二・三…)・アラビア数字( 1 ・ 2 ・ 3 …)・ローマ数字(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ…)など。
https://kotobank.jp/word/%E6%95%B0%E5%AD%97-540436
数字は、「数を表す文字」ですから、
数字は文字に含まれるようです。
当然ですが
「当」「然」「で」「す」「が」
はそれぞれ文字ですが数字ではありません。
ということで
数字以外の「ひらがな」や「漢字」も
文字に含まれます。
結論としては、
数字は文字だけど
数字以外の文字もある。
つまり、
「数字は文字の一種」
ということになります。
4 文字と数字と記号
今までの話をまとめてみましょう。
「文字は記号の一種」
「数字は文字の一種」
ということです。
並べ替えると
数字は文字の一種。文字は記号の一種。
正確な数学記号を使うと
「数字⊂文字⊂記号」
となります。
不正確をおそれず
イメージ的に分かりやすい記号を使うと
「数字<文字<記号」
となります。
前回の記事は
数字(素数)の話と
文字(車内広告)の話をしていました。
「数字<文字<記号」
ですから、
結局、前回の記事は
記号の話というよりも
数字を含む文字の話をしていたのです!
はい!これにて伏線回収!(後付け)
ちなみに私は今まで
①数字と文字は別モノで、
②記号は数字や文字やそれ以外を含む
と思っていました。
②は正しかったのですが、
今回の記事を書いている中で
①が誤解だったことを知りました。
こうして私は
ブログ記事を書いているうちに
自分の誤解に気づきました。
ブログ記事は書いてみるものですね。
5 数字は数だけを表す文字か
ここまで、難しくて重い話に
お付き合いくださり、
まことにありがとうございました。
「数字は文字の一種」
この数字と文字の関係は
みなさんの頭に入りましたね。
最後は「ゴルゴ13」を使って
軽やかに推理をしてみましょう。
(知らない人向けに)
ゴルゴ13(サーティーン)は
超一流のスナイパー(狙撃者)です。
その出身などは謎に包まれています。
ウィキペディアによる解説も
引用しておきましょう。
生年月日・年齢・国籍・経歴:いずれも不明
外見:東洋系。外見からは日本人、日露混血、日ユ混血、日中露混血などの推測がある[4][5]。短髪。無駄のない筋肉質の体を持ち、全身に無数の傷跡(銃創、切り傷など)がある。「剃刀の刃」と形容される鋭い目つき、猛禽類の翼のような眉毛が印象的。髪の色は黒、瞳の色は鳶色(『冷血キャサリン』)。
ゴルゴ13は
依頼者から受け取った破格の報酬を
スイス銀行の秘密口座に預けています。
下は「ゴルゴ13」の一場面です。
ゴルゴ13自身が語る
スイス銀行の口座番号はこちらです。
(ゴルゴ13(3)(さいとうたかを/さいとう・プロダクション。コミックス単行本:リイド社(1973年) 電子版:小学館(2007年)P267 『最後の間諜―虫―』)
ウィキペディアによる説明はこちらです。
ドワイト・D・グリンヒルが頭取を務めるスイス銀行にあったゴルゴ13の口座の番号は「F5・R6・I5・D1・A3・XY」となっていた。数字だけ抜くと「56513」になる。英文字を抜くと「FRIDAXY」となり、「FRIDAY」と解釈すれば「13日の金曜日」に通じる。(リイド社コミックス第3巻『最後の間諜―虫―』)
ゴルゴ13自身が
「13日の金曜日」を連想させる番号を
選んでいます。
さすがですね。
ですが
今回われわれが着目したいのは
こちらです。
「56513」
どうでしょうか。
みなさんは気づきましたか?
これは明らかに
「ゴルゴ13」
を示すものではないでしょうか。
最後の「13」は
「じゅうさん」
「サーティーン」
を示すものでしょう。
最初の「5」「6」「5」は
「ゴ」「ル」「ゴ」を示すもの
と思われます。
みなさん
ここでよく考えてみてください!
このときの「5」「6」「5」は
数を示すものではありません。
「5」=「ゴ」
「6」=「ル」
「5」=「ゴ」
ですから、
「カタカナみたいなもの」
といってよいでしょう。
少なくとも
日本語を使える人なら共通して
このような読み方ができるでしょう。
つまり数字は
数だけを表す文字ではありません。
日本語の場合には、
数字は
「カタカナ・ひらがなみたいな表音文字」
になることがある
と考えてよいでしょう。
6 ゴルゴ13の出自
ゴルゴ13は
「56513」という口座番号を使っています。
「ゴルゴ13」。
「5」=「ゴ」と読むのは
日本語だけでしょう。
そして
「6」=「ル」とムリヤリ読むのも
日本語だけでしょう。
「565」=「ゴルゴ」
このセンス、かなりダサい。
いったいどんな人が使うでしょうか。
もちろん
日本人でなくても、
日系人でなくても、
日本語をよく理解している人であれば
この語呂は使えることでしょう。
理論的には。
ですが、
日本人でも日系人でもない人が
センス的にこのダサい語呂を
あえて選ぶでしょうか。
ゴルゴ13は日本人だ
という噂もありますし、
日系人だという噂もあります。
外見:東洋系。外見からは日本人、日露混血、日ユ混血、日中露混血などの推測がある[4][5]。
ゴルゴ13は
「565」を「ゴルゴ」としてしまう
センスの持ち主です。
発想がかなり日本人的です。
そんなセンス・発送を持った
ゴルゴ13の出自は、噂どおり
少なくとも日本文化に
深く関わっている
日本人か日系人だと思いました。
もっとも、
そう思わせることこそが
ゴルゴ13の狙い
なのかもしれませんが・・・。
(余談)
ゴルゴ13の漫画の1コマから
彼の考えを読み取れるかどうか
遊んでみた過去の記事はこちらです。
それでは「ゴルゴ13の考え」はどうでしょうか。次のゴルゴ13の1コマを見て、彼が何を考えているのかを当ててください。
「ゴルゴ13」187巻 極北航路 P200より
お時間のある方はこちらもどうぞ。
(余談終わり)
今日はこのへんで失礼します。
Crucifix on a Golgotha Base
Maker:Base by Giuseppe de' Levi (Italian, Verona 1522–1611/14 Verona)
Maker: Corpus probably by Unidentified Milanese artist
Date:ca. 1590–1600
Culture:Italian, Verona
Medium:Corpus: gilt bronze; cross and base: bronze
Dimensions:Overall (Corpus - 76 a) (confirmed): 12 3/8 × 11 1/8 × 3 in. (31.4 × 28.3 × 7.6 cm)
Overall (base - 76b) (confirmed): 4 7/8 × 9 3/4 × 7 1/8 in. (12.4 × 24.8 × 18.1 cm)
Overall (combined) (confirmed): 23 5/8 × 11 1/8 × 7 1/8 in. (60 × 28.3 × 18.1 cm)
Classification:Sculpture-Bronze
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/206875
上杉謙信の手書き文字から作った
「けんしんフォント」無償公開中
【ダウンロードはこちら】
↓
http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2017/04/06/130000
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