【目次】
1 文字を踏めますか?
こんにちは。もじのすけです
突然ですが、質問です。
あなたは文字を踏めますか?
この写真を見てください。
これは運転免許試験場の
床の案内表示だそうです。
写真の人は、
「免許先頭」の「頭」の
活字を踏んでますよね。
みなさんならどうですか?
踏めますか?
家族に写真を見せて
聞いてみました。
活字特有の問題としては、
知らない国の外国語のように
そもそも文字が読めない場合が
ありますので、
それもあわせて聞いてみました。
(もじのすけの場合は自問自答です。)
1-1 (1)もじのすけの場合
文字を踏めますか?
・・・踏めないです。
気づかないときは別ですが。
文字自体に価値があると思うので。
読めない外国語のときも、
文字だとわかれば踏めないです。
1-2 (2)妻の場合
文字を踏めますか?
・・・踏めるそうです。
床の活字は基本的に踏んでもいい
という意味だと考えるそうです。
読めない外国語のときも、
活字なので踏める。
1-3 (3)娘(小2)の場合
文字を踏めますか?
・・・時と場合によるそうです。
踏んでもいいことが
読み取れるかどうかが
違いだそうです。
今回だと下に足跡があるので、
そちらを踏み、
「免許先頭」は踏めないそうです。
もし足跡の絵がなければ、
「免許先頭」の字を踏んでほしい
と感じるので、踏めるそうです。
読めない外国語の場合は
書き手の意図が読めないので
遠慮なく踏めるそうです。
1-4 (4)息子(5歳)の場合
文字を踏めますか?
・・・踏めるそうです。
読めないので。
読める場合は娘と同じだそうです。
早くもバラバラになってきましたよ。
まとめてみました。
活字 | |
(1)も | ☓ (外国☓) |
(2)妻 | 〇 (外国〇) |
(3)娘 | △ (外国〇) |
(4)息 | △ (外国〇) |
2 手描きの絵は踏めますか?
写真の男性が
文字を踏んでいるのは確かですが、
なぜ文字を踏んだのか
さかのぼって考えてみましょう。
さかのぼって考えるにあたり、
あえて文字のことは
ひとまずおいておきましょう。
この写真の男性が
文字を踏んだ経緯を読み取ると
次のとおりだと思います。
まず、
足の絵を書いた人の目的は
こんな感じだと思います。
①「列の先頭の人には、
足跡の絵の場所に
立ってもらいたい。」
これに対して
立つ人の気持ちはこんな感じでしょう。
②「足跡の絵は踏みにくい。
避けて立とう。」
両者の思いがずれていますね。
このずれは、一般的なものでしょうか。
もう少し考えてみましょう。
2-1 手描きの絵を踏めますか?
みなさんはこの足跡の絵を踏めますか?
この表示を前にした場合、
写真の人物と同じように
②足跡を避けて立つ
のではないでしょうか。
私の感覚だけだと自信がないので、
写真の足跡の絵を踏めるかどうか、
家族に聞いてみました。
もじのすけの家族の意見を参考に
みなさんも一緒に考えてみてください。
2-2 (1)もじのすけの場合
手描きの絵を踏めますか?
・・・踏めないです。
ただし、活字とは違い、
手描きならではの問題として
いたずら書きがありますので、
それも一緒に答えておきます。
今回のケースから離れて
あきらかないたずら書きでも
踏めないです。
2-3 (2)妻の場合
手描きの絵を踏めますか?
・・・踏めないそうです。
ただし
今回のケースから離れて
あきらかないたずら書きなら
踏めるそうです。
2-4 (3)娘(小2)の場合
手描きの絵を踏めますか?
・・・時と場合によるそうです。
踏んでもいいことかどうか
書いてあるかどうかが
違いだそうです。
今回だと下に足跡があるので、
そちらを踏み、
「免許先頭」は踏めないそうです。
足跡の絵がなければ、
「免許先頭」の字を踏んでほしい
と感じるので、踏めるそうです。
それを踏んでほしいから、
だそうです。
他方、今回のケースから離れて
あきらかないたずら書きなら
踏めるそうです。
2-5 (4)息子(5歳)の場合
手描きの絵を踏めますか?
・・・踏めるそうです。
要するに、娘と同じだそうです。
書いた人の気持ちに従う
ということだそうです。
彼にとって
文字と絵はちょっと違います。
文字のときは
読める読めないがありましたが、
絵だと描き手の意図が
理解できるようです。
2-6 子どもは素直、大人は・・・
結論をまとめてみました。
手描き絵 | |
(1)も | ☓☓ (悪戯☓) |
(2)妻 | ☓☓ (悪戯〇) |
(3)娘 | △ (悪戯〇) |
(4)息 | △ (悪戯〇) |
みなさんはいかがでしたか?
もじのすけの家族では
子どもが踏んで、大人が避ける、
という結論になりました。
運転免許試験場で、
列の整理をしたいという
書き手の気持ちは
子どもにはストレートに届き、
肝心の大人には通じなかったようです。
一般的にも
この写真の本の著者である
松村真宏先生は、
案内表示の誘導の誤りの例、
すなわち
「仕掛けもどき」として
挙げておられます。
(上記「仕掛学」P75~P77)
それでは、
なぜ、大人は足跡の絵を
避けたくなるのでしょうか。
「足跡が手描きだと生々しい。」
「足跡が手描きだと
描き手の気持ちが入っている。」
「わざわざ紙で床に浮かせているので、
破れそうで踏みにくい。
汚れそうで踏みにくい。」
といったところでしょう。
おそらく、
理由を一つにまとめるとすれば、
「足跡が手描きだから」でしょう。
なぜ手描きだと踏みにくいのか?
手書き文字に場面をかえて、
もう少し検討してみましょう。
3 手書き文字は踏めますか?
問題の写真に戻ります。
3-1 手書き文字を踏めますか?
それでは、
「免許先頭」の文字が
手書き文字だったらどうでしょうか。
もう少し具体的に場面を設定します。
「免許先頭」の文字が
手書き文字で床に直接書かれていたら
どうでしょうか。
踏めますか?
これから家族の意見を書きますが、
みなさんもぜひ
一緒に考えてみてください。
3-2 (1)もじのすけの場合
免許先頭の手書き文字を踏めますか?
・・・踏めないです。
手書き文字特有の問題として、
いたずら書きの場合や
知らない外国語で読めない場合
がありますので、
それらもついでに考えてみます。
今回のケースから離れて
明らかないたずら書きでも踏めない。
読めない外国語のときは、
文字のように見えたら踏めない。
3-3 (2)妻の場合
免許先頭の手書き文字を踏めますか?
・・・踏めないそうです。
ただし
今回のケースから離れて
明らかないたずら書きなら踏める
とのこと。
読めない外国語のときは、
文字が踏んでもよさそうな
感じかどうかで判断するとのこと。
3-4 (3)娘(小2)の場合
免許先頭の手書き文字を踏めますか?
・・・時と場合によるそうです。
踏んでもいいことかどうか
書いてあるかどうかが
違いだそうです。
今回だと下に足跡があるので、
そちらを踏み、
「免許先頭」は踏めないそうです。
足跡の絵がなければ、
「免許先頭」の字を踏んでほしい
と感じるので、踏めるそうです。
要するに彼女のスタンスは
活字と同じです。
今回のケースから離れて
あきらかないたずら書きなら踏める。
外国語などで読めないときは
わけが分からないので
踏めるそうです。
3-5 (4)息子(5歳)の場合
免許先頭の手書き文字を踏めますか?
・・・踏めるそうです。
「免許先頭」が読めないので。
読める場合は、
娘と同じだそうです。
読めないときは踏める。
読めるときは、
書いた人の気持ちしだい。
いたずら書きは踏める。
3-6 子どもは読めないと残酷?
子どもは素直な分、
文字が読めない場合には
遠慮なく踏めるようです。
その段階を超えて
文字が読めたときには
書き手の気持ちを考えるようです。
子どもは、文字として読めれば
指示に従う。
この事実を知って、
コミュニケーションの道具としての
文字の価値を実感しました。
結論をまとめてみました。
手書文字 | |
(1)も | ☓ (悪戯☓) (外国☓) |
(2)妻 | ☓ (悪戯〇) (外国△) |
(3)娘 | △ (悪戯〇) (外国〇) |
(4)息 | △ (悪戯〇) (外国〇) |
4 踏める・踏めない表
それでは
活字と手書き文字と手描きの絵について
家族の意見の全体像をご覧ください。
踏める・踏めない表
①活字 | ②手書文字 | ③手描き絵 | |
(1)も | ☓ (外国☓) |
☓ (悪戯☓) (外国☓) |
☓☓ (悪戯☓) |
(2)妻 | 〇 (外国〇) |
☓ (悪戯〇) (外国△) |
☓☓ (悪戯〇) |
(3)娘 | △ (外国〇) |
△ (悪戯〇) (外国〇) |
△ (悪戯〇) |
(4)息 | △ (外国〇) |
△ (悪戯〇) (外国〇) |
△ (悪戯〇) |
(△:書き手の気持ちしだい
記載の雰囲気しだい)
(外国:読めない言語)
(悪戯:いたずら書き)
皆さんはいかがでしたでしょうか。
私たちは、文字を踏めないときに、
いったい、文字のどんな性質を
感じ取っているのか?
家族には、
それぞれの総合的な基準を聞き取り、
分析しましたが、
ここからその話を始めると
記事が長くなりますので、
続きは次回といたしましょう。
次回以降は、
・踏めるかどうかの基準のご報告、
・文字の性質の分析、
・その性質を利用した遊び、
について考えたいと思います。
おつかれさまでした。
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