【目次】
(冒頭の作品)
源氏物語図屏風 (胡蝶)
“Butterflies” (“Kochō”), Chapter 24 from The Tale of Genji (Genji monogatari)
Period:Momoyama period (1573–1615)
Culture:Japan
Medium:Six-panel folding screen; ink, color, gold, and gold leaf on paper
Dimensions:65 in. × 12 ft. 3/4 in. (165.1 × 367.7 cm)
Classification:Screens
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/53242?
【2020年10月28日 修正しました】
1 織田信長の花押は「麟」ではなく・・・
こんにちは。もじのすけです。
今日の記事はひと休み記事です。短いです。
今回も織田信長の花押について考えてみたいと思います。
採り上げる織田信長の花押はこちらです。
花押というのは、署名(サイン)の代わりに使用される記号・符号のことです。
要するに「自分を表す記号・符号」であって「名前の文字とは限らない」ものです。
一般には織田信長の有名な花押の字は「麒麟」(キリン)の「麟」(リン)として解説されています。
その説を最初に主張されたのは、東大元教授の佐藤進一先生です。
前回の記事では、その説を最初に主張された佐藤進一先生の根拠に疑問を示し、織田信長の有名な花押は「麟」(リン)ではないという話をしました。
2 次回か次々回に
もじのすけとしては
「麟」ではなく「義」だ
と書いたことがあるのですが、
「スッキリしない」
「そうでないかも」
というご意見を多数いただきました。
たしかに、
「義」である説明は
過去の記事を載せただけで
済ませてしまっています。
(過去の記事はこちら)
あらためて
織田信長の花押は
「麟」ではなく
何なのか
を検討したいと思います。
ところが・・・ところがですよ。
前回お示ししたような
見た目の理由以外に示すのは
なかなか大変です。
同時代の花押や
花押の歴史を遡らなければなりません。
準備が必要ですので、
今回はこのくらいにさせていただきます。
この話の続きはいずれといたしましょう。
3 スルタンの「トゥグラ」
ということで、
お茶を濁すために
外国の花押に似たものをご紹介しましょう!
オスマントルコ帝国の
スルタン(将軍みたいなもの)が
使っていた署名です。
「トゥグラ」といいます。
ググるとこんな感じです。
Wikipediaも是非クリックしてみてみて下さい。
とても美しいです。
花押は署名に代わるものであり、
署名とは別に使われるものです。
他方、
トゥグラは文字で書かれた署名です。
そうすると
トゥグラは花押ではありません。
ですが
花押もトゥグラも
絵的に美しいところは
共通しています。
権力のある人が
自分を権威づけるために
しっかり意味づけをして
美しい絵や文字を使う。
そのような人に対する偏見を排除して
花押やトゥグラを
あるがままに見てみると
やっぱり
花押もトゥグラも美しい。
美しいものは美しい。
このようなところは
万国共通なのかもしれませんね。
Ōban gold coin and mameita-gin silver “bean coin” against peony-motif decorated paper
Artist:Watanabe Kazan (Japanese, 1793–1841)
Period:Edo period (1615–1868)
Date:1822, year of the horse
Culture:Japan
Medium:Polychrome woodblock print (surimono); ink and color on paper
Dimensions:8 1/4 x 7 1/8 in. (21 x 18.1 cm)
Classification:Prints
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/54326?
上杉謙信の手書き文字から作った
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http://mojinosuke.hatenablog.com/entry/2017/04/06/130000
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