【目次】
(冒頭の作品)
Group of two women and a child
Period:Middle Kingdom–Early New Kingdom
Dynasty:Dynasty 12–18
Date:ca. 1981–1500 B.C.
Geography:From Egypt
Medium:Limestone, paint
Group of two women and a child | Middle Kingdom–Early New Kingdom | The Met
もじのすけです。
今年最後の記事です。
1 子どもたちからのメッセージ
ある日、家で子どもたちがブロックで遊んでいたようで、こんなものを私に見せてきました。
どうでしょうか。読めますか。
縦書きで右から読みます。
「ね ん し お
ば ご 父
っ と さ
て が ん 」
です。
文字の上にある工作はメッセージとは特に関係ないようです。
材料はカプラブロックというフランスのブロックです。1つ1つのブロックは細長い長方形の木の板です。
これまで「文字」というと文房具で「書く」か、キーボードで「打つ」ものというイメージをもっていました。ですが子どもたちのこのメッセージを見てハッとしました。
「文字は書くものとは限らない」
「文字は打つものとは限らない」
よく考えてみれば、板や土に刻んだり、彫ったりすることもありますよね。それにしても、文房具的なものを手に持つイメージです。
思い出したのは、「他人の背中に指で文字を書いて、その人に何と書いたかを当ててもらうクイズ」です。指で文字を書く。この方法も、文房具ではないものの「書く」感じです。
これに対して、今回は、道具そのものが文字 になっています。文字を「書く」でもなく、「刻む」「彫る」でもない。
文字は形。
そうすると、文字を「作る」という場合もある。
さっきまでただ細長い板の集まりだったはずなのに、ちょっと置き方を変えて組み合わせるだけで、急に意味を持った情報てんこ盛りのメッセージになる。
不思議でしょうがありません。
みなさんも、さきほどの画像から「もじのすけは仕事をしているんだな。」「子どもたちに応援してもらえているのだな。」「もじのすけと子どもたちとの関係は悪くないな。」などなど、いろんな情報を読み込まれたのではないでしょうか。
私としては、文字についてかなり考え続けてきたつもりだっただけに、このメッセージには驚きました。
「もじのすけは、まだまだ文字の奥深さがわかってないね」と、子どもたちに教えられた一コマでした。
2 年末のごあいさつ
今年はこの記事で最後となります。
堅苦しい記事や取っつきにくい記事も多かったと思いますが、お付き合いいただきありがとうございます。私自身は、今回の記事のように新たな発見をしたり、昔の人の気持ちに触れたり、ご縁が広がったりしながら、文字に対する自分の考えが積み上がっていることを実感しています。ありがたい限りです。
文字について書くネタはまだまだありますので、このブログを読まれたみなさんの生活の彩りに、わずかでもお役に立てたら嬉しいです。
それでは良いお年をお迎え下さい。
見れば見るほど「父」の字が可愛く見えてきました。
Message
Date: 2017
Geography:From Japan, Kansai
Medium: Wood chip
The Mojinosuke Museum of Art
上杉謙信の手書き文字から作った
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